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FAQその他 関節痛と天気でよくある7つの質問に専門医がやさしく回答

「雨の日や寒い日に関節が痛む気がする…」というご相談は多くの方が気になる点です。整形外科専門医として、気象と関節痛の関係や対策をやさしく解説します。
この記事の内容
Q1. 天気や気圧で関節痛は本当に悪化しますか?
相関はあります。低気圧や寒さで痛みが強まる方は一定数おられます。個人差はありますが、変形性関節症や関節リウマチなどの慢性疾患で起こりやすい傾向です。
Q2. なぜ気圧・湿度・気温が痛みに影響するのですか?
低気圧や寒冷は関節内圧や筋緊張、自律神経のバランスに影響し、痛覚が敏感になります。湿度変化で冷えを感じやすくなることも痛み増幅の一因と考えられます。
Q3. 天気が崩れる前にできる予防やセルフケアは?
体を温める、関節可動域運動や軽い筋トレ、就寝前のストレッチが有効です。関節の保温や装具の活用、主治医の指示内での頓用鎮痛薬も計画的に用いると良いでしょう。
Q4. 気圧アプリや痛み日記は役立ちますか?
痛みの強さと気象データを並べて記録すると、自分のトリガーが把握できます。悪化しやすい条件を予測し、無理な予定を避けたり、薬や保温などの準備がしやすくなります。
Q5. 市販薬や貼り薬はどう使えば安全ですか?
アセトアミノフェンやNSAIDsの短期頓用、温感貼付剤は有効なことがあります。一方で胃腸・腎機能への影響や併用禁忌があります。持病や内服薬がある方は受診で確認を。
Q6. 運動・入浴・睡眠のコツはありますか?
痛みの少ない範囲での低負荷運動で関節周囲筋を保ちましょう。38〜40℃の入浴で血流を促し、関節を冷やさないこと。睡眠は規則正しく、痛む日は負荷を減らして調整します。
Q7. どんなときは受診すべきですか?
発熱を伴う激痛、関節の赤い腫れ、夜間も続く強い痛み、急な変形、外傷後の痛みは早急に受診を。慢性痛が続く場合は画像検査や注射、再生医療を含む専門的評価が有用です。
天気と関節痛の関係は人それぞれですが、傾向を知り備えることで症状の波を小さくできます。無理をせず、適切な運動と保温、早めの相談で快適な毎日を目指しましょう。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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