コラム COLUMN
FAQ膝 「膝が外れる感じ」でよくある8つの質問に専門医がやさしく回答

「膝が外れる感じ」という症状は、歩いている時や階段の上り下りで急に膝の力が抜けたり、関節がずれるような不安感を感じたりするもので、医学的には「ギビングウェイ(Giving way)」と呼ばれます。多くの方が「いつ膝が崩れるかわからない」という不安を抱えていらっしゃいます。
以下に、患者様からよくいただくご質問とその回答をまとめました。
この記事の内容
膝が外れるような感じがするのはなぜですか?
膝が外れる、またはガクッとする感覚は、膝を支える靭帯の損傷や半月板の傷、あるいは膝を支える筋肉(大腿四頭筋)の筋力低下が主な原因です。関節の安定性が損なわれることで、脳が「これ以上負荷をかけると危ない」と判断し、膝の力を抜いてしまう反応が起こります。多くの方が経験する症状ですが、放置すると関節軟骨を痛める原因になるため注意が必要です。
スポーツ中に膝がずれた感じがしました。靭帯の怪我でしょうか?
スポーツ中の接触や急な方向転換で膝が外れる感覚があった場合、前十字靭帯(ACL)損傷の可能性が高いです。靭帯が切れると膝の「ストッパー」がなくなるため、踏ん張った際に膝が前方へずれるような不安定感が生じます。これは専門的な検査が必要な状態ですので、早めに整形外科を受診しましょう。早期の診断が、将来的な軟骨損傷を防ぐ鍵となります。
半月板が原因で膝が外れる感じがすることもありますか?
はい、十分に考えられます。半月板は膝のクッションの役割を果たしていますが、これが割れて関節の隙間に挟まると、膝が引っかかったり、急に外れるような感覚(ロッキング現象)を引き起こしたりします。階段を下りる時や、深く曲げた際に不安定感を感じることが多いのが特徴です。MRI検査などで、半月板の状態を詳しく確認することをお勧めします。
高齢になってから膝がガクッとするのは「歳のせい」でしょうか?
加齢による変形性膝関節症も、膝が外れる感じの大きな原因の一つです。軟骨がすり減り、関節の形が変化することで安定性が低下します。また、膝を支える太ももの筋肉が衰えることも不安定感に拍車をかけます。これは単なる老化現象として諦める必要はなく、リハビリや適切な治療で改善可能です。まずはご自身の膝の状態を正しく知ることから始めましょう。

膝のお皿が外れるような感じがします。何が起きているのでしょうか?
膝の前面にある「お皿(膝蓋骨)」が外側にずれかかる「膝蓋骨不安定症」の可能性があります。特に若い女性に多く見られる症状で、生まれつきの骨の形や、膝を支える筋肉のバランスが原因です。膝を伸ばす際にカクッと音がしたり、外れそうな不安感があったりします。サポーターの使用やリハビリで安定させることが可能ですが、まずは正確な診断が大切です。
サポーターを使えば、膝の外れる感じはなくなりますか?
サポーターは膝を外側から固定し、安定感を高めるのに非常に有効です。装着することで「膝が守られている」という安心感につながり、歩きやすくなる方も多くいらっしゃいます。ただし、サポーターはあくまで補助的なものです。根本的な解決には、膝を支える自前の「筋肉のコルセット」を鍛えるリハビリテーションを並行して行うことが、長期的な安定には不可欠です。
膝の不安定感を解消するために、自宅でできる運動はありますか?
最も重要なのは、太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋」を鍛えることです。仰向けに寝て、片足を膝を伸ばしたまま10cmほど浮かせてキープする「足上げ体操」などが有効です。ただし、痛みがある時や原因がはっきりしない時に無理な運動をすると逆効果になることもあります。まずは医師の診断を受け、ご自身の症状に合った安全な運動メニューを教えてもらうのが一番の近道です。
どのような場合に、すぐに病院へ行くべきでしょうか?
膝が外れる感じに加えて、「膝が腫れている」「強い痛みがある」「膝が完全に伸びない、または曲がらない」といった症状がある場合は、すぐに整形外科を受診してください。関節内で出血していたり、半月板が挟まっていたりする緊急性の高い状態の可能性があります。放置すると二次的な関節被害を招く恐れがあるため、不安を感じたら早めに専門医に相談しましょう。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

膝が外れるような不安感は、体からのSOSサインかもしれません。「いつものことだから」と我慢せず、適切な原因診断を受けることで、安心して歩ける日常を取り戻すことができます。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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