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【膝の上が痛い】階段の上り下りで重だるいのはなぜ?原因と対処法を整形外科専門医が詳しく解説

【膝の上が痛い】階段の上り下りで重だるいのはなぜ?原因と対処法を整形外科専門医が詳しく解説

こんにちは。私は関節の痛みを専門に扱う整形外科医です。日々の診察の中で、多くの患者さんから「膝のお皿そのものというより、その少し上が重だるい」「階段を下りるときに膝の上がピキッと痛む」といったご相談をよく受けます。

50代から80代の方にとって、膝の痛みは生活の質を大きく左右する切実な悩みですよね。これまで当たり前にできていた「散歩」や「買い物」が億劫になり、外出を控えてしまうようになるのは本当にもったいないことです。

でも、ご安心ください。膝の上の痛みには明確な理由があり、正しい知識を持って対処すれば、その重だるさを解消して、また元気に歩けるようになる可能性は十分にあります。

この記事では、膝の上が痛くなる原因から、今日から自宅で取り組めるストレッチや生活習慣の改善法まで、専門医の視点でわかりやすくお伝えします。

どんなときに膝の上が痛みますか?よくある症状のチェック

まずは、ご自身の痛みがどのような場面で現れるか振り返ってみましょう。当院に来院される患者さんからは、次のような声が多く聞かれます。

・階段の上り下りで、膝の皿の上あたりに力が入らなくなる ・椅子から立ち上がろうとした瞬間に、膝の上が重だるく痛む ・歩き始めは平気なのに、15分ほど歩くと膝の上がパンパンに張ってくる ・正座をしようと膝を深く曲げると、膝の上の皮膚が引っ張られるように痛む ・朝起きたとき、膝の上がこわばっていて動かしにくい

いかがでしょうか。もしこれらに心当たりがあるなら、それは膝の関節そのものだけでなく、膝を支える筋肉や腱に負担がかかっているサインかもしれません。

膝の上の痛みは、初期の段階では「なんとなく重いかな?」という程度で見過ごされがちです。しかし、このサインを放置すると、膝をかばうような歩き方になり、結果として膝関節全体を傷めてしまうこともあります。今のうちに原因を知り、対策を立てることが大切です。

なぜ膝の上が痛くなるのか?専門医が教える医学的な背景

膝の上の痛みに関わる主役は、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という太ももの前面にある大きな筋肉です。この筋肉は、私たちが歩いたり、立ったり、階段を昇ったりする際に、膝を伸ばすためのエンジンとしての役割を果たしています。

膝の上が痛むとき、体内ではどのようなことが起きているのでしょうか。難しい用語を避けて、わかりやすく3つの主な原因を解説します。

1. 大腿四頭筋腱炎(だいたいしとうきんけんえん)

太ももの大きな筋肉は、膝のお皿(膝蓋骨)の上で「腱」という硬い組織に変わり、お皿に付着しています。 長い間、歩きすぎたり、階段の昇降を繰り返したりすると、この腱の部分に小さな傷がついたり、炎症が起きたりします。これを大腿四頭筋腱炎と呼びます。 いわば、エンジンのベルトが使いすぎで摩耗して、熱を持っているような状態です。特に、若い頃にスポーツを熱心にされていた方や、最近急に歩く距離を増やした方に多く見られます。

2. 膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)のトラブル

膝には、大腿骨(太ももの骨)と膝蓋骨(お皿)が接している部分があります。ここを膝蓋大腿関節と呼びます。 加齢によってこの関節の隙間が狭くなったり、軟骨がすり減ったりすると、お皿がスムーズに動かなくなります。すると、お皿を引っ張り上げている太ももの筋肉に余計な力がかかり、結果として膝の上の重だるさや痛みとして現れるのです。

3. 筋肉の柔軟性の低下と筋力不足

これが最も多い原因かもしれません。年齢を重ねると、太ももの筋肉は放っておくと硬くなり、筋力も落ちていきます。 筋肉が硬くなると、膝を曲げ伸ばしするたびに、膝の上の組織がギュッと強く引っ張られてしまいます。また、筋力が落ちると、体重を支えるクッション機能が弱まり、膝の上の腱に直接大きな負担がかかるようになるのです。

このように、膝の上の痛みは「使いすぎ」と「柔軟性・筋力の低下」のバランスが崩れたときに起こりやすいのです。

自宅でできる!膝の上の痛みを和らげる対処法と予防策

原因がわかったところで、次は具体的な対策を見ていきましょう。病院での治療も大切ですが、日々のセルフケアが改善への近道となります。

まずは「安静」と「冷やす・温める」の使い分け

痛みが非常に強く、熱を持っているようなときは、まずは無理に動かさず、10分から15分ほど氷水などで冷やしてください。 逆に、慢性的に重だるく、お風呂に入ると楽になるという場合は、温めて血行を良くするのが効果的です。血流が良くなると、筋肉の緊張がほぐれ、痛みの物質が流されやすくなります。

太ももの前を伸ばすストレッチ

硬くなった大腿四頭筋をほぐすことで、膝の上への引っ張る力を弱めます。

  1. 壁や椅子の背もたれに手をついて安定させます。
  2. 片方の足の甲を手で持ち、かかとをお尻に近づけるように膝を曲げます。
  3. 太ももの前側が心地よく伸びているのを感じながら、20秒から30秒キープします。
  4. 反対の足も同様に行います。

※膝が痛くて深く曲げられない場合は、無理をせず、横向きに寝た状態で足を持って少しずつ伸ばすところから始めてみてください。

椅子に座ってできる筋力トレーニング

膝に負担をかけずに、膝を支える筋肉を鍛える方法です。

  1. 椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。
  2. 片方の膝をゆっくりと真っすぐ伸ばし、つま先を天井に向けます。
  3. 太ももの上の筋肉に力が入っているのを確認し、そのまま5秒間キープします。
  4. ゆっくりと足を下ろします。これを左右10回ずつ繰り返します。

このトレーニングは、関節に体重がかからないため、痛みを悪化させずに筋力を維持できる優れた方法です。

生活環境の見直し

日常のちょっとした工夫で、膝への負担は激減します。

・靴選び:クッション性の高い靴を履くことで、地面からの衝撃を和らげます。 ・階段の使い方:上るときは痛くない方の足から、下りるときは痛い方の足から出すようにすると、膝への負担が少なくなります。 ・椅子の生活:床に座る生活よりも、椅子とベッドの生活に切り替えることで、立ち座りの際の膝の上の負担を軽減できます。

よくある質問・誤解への回答

膝の痛みについて、患者さんからよくいただく質問にお答えします。

Q1. 痛みがあるときは、安静にしていなければいけないのでしょうか?

A1. 激しい痛みや腫れがあるときは、数日間の安静が必要です。 しかし、動かさない期間が長すぎると、今度は筋肉がますます固まり、筋力も落ちてしまいます。そうなると、次に動こうとしたときにより強い痛みを感じるという悪循環に陥ります。 「動かすと少し重だるいけれど、我慢できないほどではない」という程度であれば、無理のない範囲でウォーキングやストレッチを継続したほうが、長期的には回復が早まります。

Q2. サポーターは膝の上の痛みにも効果がありますか?

A2. はい、効果があります。 サポーターを装着することで、大腿四頭筋の働きを補助し、膝のお皿の動きを安定させることができます。これにより、膝の上の腱にかかる負担が軽減されます。 ただし、サポーターはあくまで「補助」です。四六時中つけていると、自分の筋肉がサボってしまい、筋力が低下する原因にもなります。外出時や階段を多く使うときなど、負担がかかる場面に絞って活用することをお勧めします。

Q3. 加齢による痛みは、もう治らないのでしょうか?

A3. 決してそんなことはありません。 「もう年だから」と諦めてしまう方を多く見かけますが、筋肉は何歳からでも鍛えることができますし、柔軟性を取り戻すことも可能です。 確かに20代の頃と同じ状態に戻すのは難しいかもしれませんが、正しいケアを続ければ、痛みをコントロールし、日常生活に支障がないレベルまで改善させることは十分に可能です。大切なのは、「これ以上悪くしない」という意識と、小さなセルフケアの積み重ねです。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:あなたの膝は、もっと楽になります

膝の上の重だるい痛み。それは、これまで頑張ってあなたの体を支えてきた膝からの「少し休ませて」「ケアをして」というメッセージです。

痛みの原因の多くは、太ももの筋肉(大腿四頭筋)の疲労や柔軟性の低下にあります。今回ご紹介したストレッチや筋力トレーニング、そして生活習慣の見直しを、まずは2週間続けてみてください。少しずつ膝の上が軽くなっていくのを実感できるはずです。

もし、自分一人で取り組むのが不安だったり、痛みが強くなったりする場合は、迷わず私たち整形外科の専門医を頼ってください。レントゲン検査などで関節の状態を正しく把握し、あなたに最適なリハビリテーションや治療法を提案することができます。

年齢を理由に大好きな趣味や外出を諦める必要はありません。一歩踏み出す勇気が、これからの10年、20年を自分らしく歩き続けるための大きな力になります。一緒に、快適な歩みを取り戻していきましょう。

次の一歩として、まずは椅子に座ったままできる「足上げトレーニング」を、今から3回だけ試してみませんか?

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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