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膝 膝が痛いのにレントゲンで異常なし|考えられる原因と次の検査

膝が痛いのにレントゲンで「異常なし」と言われても、痛みの原因がないとは限りません。 半月板の損傷、初期の変形性膝関節症、腱や関節内の炎症などは、レントゲンだけでは十分に分からない場合があります。骨の小さな骨折も、初期には写りにくいことがあります。まずは痛む場所やきっかけ、腫れの有無を整理し、症状が続く場合は整形外科で再評価を受けましょう。急に体重をかけられなくなった、膝が赤く熱を持つ、発熱を伴う場合は、早めの受診が必要です。
この記事の内容
膝が痛いのにレントゲンで異常なしとなるのはなぜ?
レントゲンは骨の形や関節の隙間を調べる検査で、膝のすべての組織を詳しく映せるわけではありません。 「異常なし」は、その時の画像で明らかな異常が確認できなかった、という意味で受け止めることが大切です。
膝には骨のほかに、軟骨、半月板、靱帯、腱、関節の内側を覆う滑膜などがあります。半月板や靱帯の損傷、滑膜の炎症は、通常のレントゲンだけでは十分に評価できません。
また、軟骨はレントゲンに直接は写らず、骨と骨の隙間などから間接的に状態を判断します。初期の変化では、はっきりした隙間の狭まりが見られないこともあります。minds.jcqhc.or.jp
一方、レントゲンには、骨の変形や骨折などを確認する重要な役割があります。レントゲンが無意味なのではなく、診察で疑った原因に応じて検査を補うことが必要です。
考えられる主な原因
レントゲンで異常が目立たない膝の痛みには、関節の中の問題、周囲の腱などの問題、初期の骨病変があります。年齢だけで決めつけず、痛みの始まり方や動作との関係から候補を絞ります。
半月板の変性・損傷
半月板とは、太ももの骨とすねの骨の間にあり、膝にかかる力を分散する組織です。ひねった時に傷むほか、加齢による変性が背景にあり、日常の動作をきっかけに症状が出る場合もあります。
曲げ伸ばしやしゃがみ込みで痛む、引っかかる、膝が腫れる、といった症状が手がかりになります。半月板自体はレントゲンに写らないため、詳しい評価にはMRIを用います。jsoa.or.jp
ただし、MRIに半月板の傷があっても、その傷だけが痛みの原因とは限りません。 痛む場所や診察所見との一致を確認することが大切です。
初期の変形性膝関節症・滑膜炎
変形性膝関節症は、軟骨だけでなく、半月板や軟骨の下の骨などにも変化が起こる病気です。初期にはレントゲンで変形が目立たなくても、歩き始めや立ち上がりで痛むことがあります。
関節の内側を覆う滑膜に炎症が起こると、痛みや腫れ、水がたまる症状につながります。関節軟骨そのものには通常、痛みを感じる神経がないため、痛みを「軟骨のすり減り」だけで説明することはできません。minds.jcqhc.or.jp
膝の周囲の腱や、お皿の周りの問題
膝の内側にある腱の付着部周辺が痛む鵞足炎(がそくえん)、膝の外側が痛む腸脛靱帯炎、膝蓋腱の障害なども原因になります。
お皿の周りの痛みでは、お皿と太ももの骨の間に負担がかかる膝蓋大腿疼痛や、お皿の下の脂肪組織の炎症なども考えます。階段、しゃがみ込み、膝を曲げたままの座位などとの関係を確認します。
運動量が急に増えた、立ち仕事が続いた、といった生活の変化も診断の手がかりです。ただし、姿勢や筋力だけが原因だと最初から決めつけることはできません。
初期には写りにくい骨折・骨の病変
中高年の方で急に強い膝の痛みが出た場合は、軟骨のすぐ下に小さな骨折が起こる「軟骨下脆弱性骨折」も確認が必要です。 転倒などの大きなけががなくても生じ、初期にはレントゲンで分からず、MRIで見つかることがあります。
従来「膝の特発性骨壊死」と呼ばれてきた病態の多くは、この骨折との関係が分かってきています。体重をかけると強く痛む場合は、「骨は大丈夫だったから」と無理に歩き続けないことが大切です。Springer Nature Link
炎症性の病気や、膝以外から伝わる痛み
関節リウマチ、痛風・偽痛風、細菌感染などでも膝が痛むことがあります。急な腫れや熱感がある場合は、画像だけでなく、血液や関節液の検査が必要になることがあります。関節リウマチでは、ほかの関節の腫れや朝のこわばりも手がかりになります。joa.or.jp
また、股関節の病気や腰の神経の問題が、膝周辺の痛みとして感じられる場合もあります。膝の所見で症状を説明しにくい時は、股関節の動き、しびれ、腰の症状も確認します。
症状から考える原因と、自分で確認できるポイント
痛む場所に加えて、「いつ、どのように痛み始めたか」が診断の重要な手がかりです。 次の表は受診時に症状を伝えるための目安で、自己診断のための表ではありません。
| 症状・特徴 | 考えられる原因の例 |
|---|---|
| ひねった後に痛む、曲げ伸ばしで引っかかる | 半月板損傷、靱帯損傷など |
| 歩き始めや立ち上がりで痛む | 初期の変形性膝関節症、滑膜炎など |
| 膝の内側の少し下が痛い | 鵞足炎など |
| 階段やしゃがみ込みでお皿の周りが痛む | 膝蓋大腿関節周辺の問題など |
| 大きなけががないのに急に強く痛み、体重をかけにくい | 軟骨下脆弱性骨折、半月板損傷など |
| 急に腫れ、赤み・熱感がある | 偽痛風、痛風、感染など |
| 足のしびれや股関節の動かしにくさもある | 腰や股関節に由来する痛みなど |
受診前には、以下をメモしておくと説明しやすくなります。
- 痛みが始まった日と、その時にしていたこと
- 痛む場所と、特につらい動作
- 腫れ、熱感、発熱の有無
- 安静時や夜間にも痛むか
- 歩ける距離や、できなくなった動作
- 湿布や薬、運動などを試した結果
痛みを確かめるために、片脚でひねる、深くしゃがむなどの動作を繰り返す必要はありません。
整形外科を受診・再受診した方がよい症状
「レントゲンで異常なし」と言われた後でも、症状が変わったり、日常生活に支障が続いたりする場合は再評価が必要です。 以前の検査結果だけで、現在の状態まで判断することはできません。
当日中の受診を考える症状
- 急に痛みが強くなり、体重をかけられない
- 膝が赤く熱を持ち、大きく腫れている。特に発熱を伴う
- けがの後に強い腫れや変形がある
- 膝が引っかかったまま伸びない、曲げ伸ばしができない
感染などでは早い対応が重要です。強い腫れや熱感がある場合は、発熱がなくても受診してください。 夜間・休日で症状が強い場合は、救急外来も選択肢になります。
近いうちに再受診したい症状
- 処方された治療を続けても、痛みが改善しない
- 膝の腫れを繰り返す、歩くと力が抜ける
- 安静時や夜間の痛みが続く、徐々に悪化する
- 痛みで買い物、階段、仕事などに支障がある
軽い痛みが明らかに改善している場合は、医師の指示に沿って経過を見ることもできます。ただし、強い症状を一定期間我慢する必要はありません。
次の検査はMRI?レントゲン・超音波との使い分け
次に受ける検査は、痛みの原因として何を疑うかで変わります。 まず診察で原因の候補を絞り、治療方針を決めるために必要な検査を選びます。
診察とレントゲンの撮影条件の確認
診察では、押すと痛む場所、腫れ、曲げ伸ばしの範囲、ぐらつき、歩き方を確認します。必要に応じて股関節や腰も調べます。
レントゲンは、寝た姿勢と体重をかけた立位では、関節の隙間の見え方が変わる場合があります。痛む場所に応じ、お皿の関節を見る角度などを追加することもあります。撮り直すかどうかは、前の画像と症状を確認して判断します。minds.jcqhc.or.jp
MRIを検討するケース
MRIは、半月板、靱帯、軟骨、骨の内部などを詳しく調べる検査です。次のような場合に検討します。
- レントゲンでは説明しにくい強い痛みがある
- 骨折や骨壊死など、初期の骨病変が疑われる
- 半月板や靱帯の損傷が疑われる
- 腫れや引っかかりが続き、治療方針を見直す必要がある
痛みが軽く、改善傾向にあり、診察で原因の見通しが立っている場合は、最初からMRIを行わないこともあります。jsoa.or.jp
超音波・血液検査・関節液の検査
| 検査 | 主に確認すること | 知っておきたい限界 |
|---|---|---|
| レントゲン | 骨の形、関節の隙間、骨折など | 半月板などの軟部組織や初期の骨病変は分かりにくい |
| MRI | 半月板・靱帯・軟骨、骨の内部の病変など | 写った異常が痛みの原因とは限らない |
| 超音波(エコー) | 関節液、滑膜、表面に近い腱や靱帯など | 骨の内部や関節の深い部分には評価の限界がある |
| 血液検査・関節液検査 | 炎症、感染、痛風・偽痛風などの手がかり | 診察や画像と合わせて判断する |
超音波は、膝を動かしながら観察できる点も特徴です。ただし、超音波だけですべての半月板損傷や骨病変を否定することはできません。
「画像の異常」と「痛みの原因」を照らし合わせる
MRIで異常が見つかった場合も、痛む場所、発症時期、診察で痛みが再現される動作と合っているかを確認します。
反対に、MRIで目立つ異常がなくても、痛みを気のせいと決めることはできません。動作による負担や膝以外からの痛みも含め、診察と経過をもとに見直します。
原因が分かるまで、自宅でできる対策
まずは痛みを強める動作を減らし、無理な運動やストレッチを避けてください。 特に急な強い痛みや歩行困難がある場合は、運動を始めるより先に診察を受けます。
痛む動作を一時的に減らす
深くしゃがむ、正座、階段の往復、長距離の歩行など、痛みが増える動作を控えます。階段では手すりを使い、立ち座りがつらければ少し高めの椅子を選びます。
軽い痛みで歩行に支障がない場合まで、寝たきりで過ごす必要はありません。ただし、骨折が疑われる時は、体重をかける量を減らす必要があります。
冷やす・温める方法は症状に合わせる
使った後の軽い腫れや熱感には、布で包んだ保冷剤を短時間当てると楽になる場合があります。皮膚に直接当て続けないでください。
熱感のない慢性的なこわばりは、温めると和らぐ場合があります。赤みや強い腫れがある時は、温めたり強くもんだりせず受診を優先します。
筋力トレーニングは、原因を確認してから
変形性膝関節症などでは運動療法が重要ですが、すべての膝痛に同じ運動が適するわけではありません。骨折や強い炎症がないことを確認し、医師や理学療法士と内容を決めます。
運動後から翌日に痛みや腫れが増える場合は、負荷が大きすぎる可能性があります。回数や強さを調整してください。体重管理が必要な場合も、急な減量で筋肉を落とさないことが大切です。joa.or.jp
治療方法と、手術を考えるタイミング
治療は「レントゲンで異常なし」という結果ではなく、診断された原因に合わせて選びます。 年齢、活動量、仕事内容、持病、これまでの治療の反応も判断材料です。
保存療法が中心になる場合
初期の変形性膝関節症や腱の障害などでは、生活動作の調整、運動療法、薬物療法などを組み合わせます。骨の小さな骨折では、まず患部に体重をかける量を減らす治療が必要になる場合があります。
痛み止めは、胃腸や腎臓などへの影響、持病、ほかの薬との組み合わせを踏まえて選びます。湿布だけで改善しない時も、すぐ手術という意味ではありません。原因と治療内容の見直しが先です。
注射は、原因や炎症の状態に応じて選ぶ
変形性膝関節症ではヒアルロン酸注射などを検討する場合があります。ステロイド注射は炎症を抑える目的で選択されることがありますが、感染の可能性などを確認し、必要性や回数を慎重に判断します。
注射には一時的な痛みや腫れ、まれな感染などのリスクがあり、効果には個人差があります。原因が分からないまま注射だけを繰り返すのではなく、治療の反応を確認することが重要です。minds.jcqhc.or.jp
半月板損傷でも、必ず手術になるわけではない
半月板に損傷があっても、症状や損傷の状態によっては、運動療法や生活動作の調整などを先に行います。画像に傷があるという理由だけで手術を決めるわけではありません。jsoa.or.jp
一方、膝が引っかかったまま伸びない場合や、半月板の付け根が切れて機能が大きく低下する損傷などでは、早めに専門的な評価を受ける必要があります。すべての方が手術の対象ではありませんが、漫然と様子を見続けないことが大切です。
適切な保存療法を行っても生活に支障が残る場合は、症状と画像所見を照らし合わせ、手術の利益・負担・術後のリハビリを相談します。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ|レントゲンで異常なしでも、続く膝の痛みは再評価を
膝が痛いのにレントゲンで異常なしと言われた時は、検査の限界を理解し、症状に合った診察と追加検査につなげることが大切です。
- 半月板・腱・滑膜の問題や、初期の骨病変はレントゲンだけでは分からない場合があります。
- 次の検査は、診察で疑う原因に応じてMRI・超音波などを選びます。
- 急な強い痛み、歩行困難、赤み・熱感を伴う腫れは早めの受診が必要です。
- 画像の異常だけで治療や手術を決めず、症状や生活への影響も確認します。
症状が続く場合は、以前の画像や検査結果も持参し、整形外科で原因を確認しましょう。
よくある質問
Q1.膝のレントゲンもMRIも異常なしなら、気のせいなのでしょうか?
いいえ、気のせいとは限りません。動作に伴う負担や、股関節・腰からの痛みなどは、膝の画像だけで説明できない場合があります。画像を繰り返すだけでなく、痛む動作や経過を含めて診察を受けることが大切です。
Q2.湿布で少し楽になりますが、そのまま使い続けても大丈夫ですか?
痛みが軽くなっても、原因が解消したとは限りません。処方された用法を守り、痛みが戻る、腫れる、生活に支障がある場合は再診してください。かぶれが出た場合や、使用期間が長くなる場合も医師・薬剤師に相談しましょう。
Q3.膝のMRIには造影剤が必要ですか?
半月板・靱帯の損傷や多くの骨病変を調べる場合は、通常、造影剤を使わずに撮影します。感染や腫瘍などを詳しく調べる場合には、造影が必要になることがあります。体内の医療機器や金属については、予約時に伝えてください。
Q4.膝の内側が痛ければ、半月板損傷と考えてよいですか?
痛む場所だけでは決められません。内側の痛みには、半月板損傷のほか、鵞足炎、変形性膝関節症、軟骨下脆弱性骨折などがあります。いつから痛むか、体重をかけられるか、腫れがあるかを含めて判断します。
参考文献・参考情報
- 日本整形外科学会監修:変形性膝関節症診療ガイドライン2023
- 日本スポーツ整形外科学会:スポーツ損傷シリーズ33:半月板損傷
- 日本整形外科学会:変形性膝関節症
- JCHO東京高輪病院:変形性膝関節症・大腿骨内顆骨壊死の治療
- 日本整形外科学会:関節リウマチ
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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