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膝が痛くて歩くのが不安な方へ|何科に行くべき?原因と改善法を整形外科医が解説

膝が痛くて歩くのが不安な方へ|何科に行くべき?原因と改善法を整形外科医が解説

最近、お出かけの際に「足元が心もとない」と感じることはありませんか。 買い物へ行く道中や、駅の階段、あるいは家の中でのちょっとした立ち座り。 ふとした瞬間に膝に走る痛みは、単なる肉体的な苦痛だけでなく、 「このまま歩けなくなったらどうしよう」という大きな不安を連れてくるものです。

私のクリニックにも、日々多くの患者さんが来院されます。 みなさん口を揃えておっしゃるのは、 「以前のように、何も気にせず散歩を楽しみたい」 「孫と一緒に旅行に行きたいけれど、迷惑をかけそうで怖い」 といった、切実な願いです。

膝の痛みは、人生の質に直結します。 でも、安心してください。 痛みがあるからといって、すぐに歩けなくなるわけではありません。 正しく原因を知り、適切な一歩を踏み出すことで、膝の健康は取り戻すことができます。 今日は、膝の痛みと向き合うためのガイドブックとして、専門医の視点からわかりやすくお話ししていきます。

膝が痛いときに最初に抱く「3つの不安」

膝に違和感を覚えると、多くの方は次のような悩みを抱えがちです。

一つ目は、何科を受診すればいいのかという疑問です。 接骨院や整骨院、整体、そして病院の整形外科。 街中にはたくさんの看板があふれていて、どこが自分に合っているのか判断するのは難しいですよね。

二つ目は、痛みの原因がわからない怖さです。 「加齢のせいですよ」と言われておしまいではないか、あるいは「すぐに手術が必要だ」と宣告されるのではないか。 そう思うと、受診する足が重くなってしまうのも無理はありません。

三つ目は、将来への不安です。 杖が必要になるのか、車椅子生活になるのか。 自分の足で歩ける喜びをいつまで維持できるのかという点は、誰にとっても重要な問題です。

これらの不安を解消するために、まずは「今の自分の膝で何が起きているのか」を整理してみましょう。

なぜ膝が痛むのか?主な原因とメカニズム

膝の痛みを感じる方の多く、特に50代以降で最も頻度が高いのは、変形性膝関節症(へんけいせいしざかんせつしょう)という状態です。 これは、簡単に言うと「膝のクッションがすり減っている状態」を指します。

膝の関節は、太ももの骨とすねの骨が合わさる部分です。 それぞれの骨の表面は、軟骨(なんこつ)という弾力のある組織で覆われています。 この軟骨が、歩くときの衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。

長年、体を支え続けてきた膝では、この軟骨が少しずつ薄くなったり、表面がささくれたりしていきます。 すると、骨と骨が直接ぶつかりやすくなり、関節の中で炎症(えんしょう:火事が起きているような状態)が起こります。 これが、私たちが感じる「ズキッ」とした痛みの正体です。

階段の「下り」で痛む理由

よく「階段の上りより下りのほうが辛い」という声を耳にします。 実はこれには医学的な理由があります。 下る動作のとき、膝には体重の数倍もの負荷がかかります。 すり減ったクッションではその衝撃を逃がしきれず、痛みとして脳に伝わるのです。

朝起きたときの「こわばり」

「朝、動き出しが重苦しいけれど、動いているうちに少し楽になる」 というのも、この症状の特徴です。 これは、関節を潤滑にする液(関節液)が、休んでいる間に馴染みにくくなっているためです。 機械の油が切れているような状態をイメージするとわかりやすいかもしれません。

膝の痛みは「何科」を受診すべきか?

結論から申し上げますと、まずは整形外科(せいけいげか)を受診してください。

なぜ、整形外科なのでしょうか。 それは、医師による医学的な診断ができる唯一の場所だからです。 膝の痛みの原因は、先ほど挙げた変形性膝関節症だけではありません。 中には、筋肉の衰えが原因の場合もあれば、骨の病気や、神経の問題が隠れていることもあります。

整形外科で受ける診察の流れ

整形外科では、レントゲン撮影を行って、骨の隙間がどれくらいあるか、変形が進んでいるかを正確に確認します。 必要に応じてMRI検査を行い、軟骨や半月板(はんげつばん:クッションの一部)の詳細な状態を調べることもあります。

「痛いけれど、まだ我慢できる」 そう思って、マッサージや電気治療だけで済ませてしまう方もいらっしゃいますが、まずは一度、専門医に現状を診断してもらうことが、遠回りのようで一番の近道になります。

手術だけではない、痛みを和らげる治療法(保存療法)

「病院に行くと、すぐに手術を勧められるのではないか」 そう心配される方が多いのですが、実際にはそんなことはありません。 現在、整形外科で行われる治療の主流は、保存療法(ほぞんりょうほう)と呼ばれる、手術をせずに改善を目指す方法です。

1. お薬や湿布による消炎

まずは、今起きている「膝の中の火事」を鎮めることが優先です。 飲み薬や貼り薬を使って、炎症を抑えます。 最近の湿布や塗り薬は浸透力も高く、効果を実感しやすいものが増えています。

2. 関節注射(ヒアルロン酸など)

膝の中に、関節の動きを滑らかにする成分を直接補う方法です。 これは、減ってしまった「潤滑油」を足してあげるようなイメージです。 痛みを和らげ、軟骨がさらにすり減るのを防ぐ効果が期待できます。

3. リハビリテーションと運動療法

実は、これが最も大切な治療の一つです。 膝の痛みがあるとき、私たちの体は無意識に膝をかばって歩きます。 すると、膝を支える筋肉が衰え、ますます膝への負担が増えるという悪循環に陥ります。

理学療法士などの専門スタッフと一緒に、膝周りの筋肉、特に太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることで、天然のサポーターを自分の体に作っていくのです。

4. 装具(サポーターやインソール)の活用

膝を安定させるためのサポーターや、足の裏の角度を調整して膝への負担を分散させるインソール(足底板)を作成することもあります。 これらを使うことで、歩く際の不安感が大幅に軽減される方がたくさんいらっしゃいます。

生活の中でできる「膝を守る」工夫

治療と並行して、日々の生活を少し見直すだけで、膝への負担は驚くほど変わります。

靴選びを見直す

底が薄すぎる靴や、ヒールのある靴は膝に負担をかけます。 クッション性の高いウォーキングシューズを選び、かかとがしっかりホールドされるものを選んでください。

正座や床からの立ち上がりを避ける

床に直接座る生活スタイルは、立ち上がる際に膝に非常に強い負荷をかけます。 なるべく椅子やベッドを使う生活(洋式スタイル)に切り替えることをお勧めします。 「正座ができなくなった」と悲観される方もいますが、それは膝を大切にしている証拠だと前向きに捉えましょう。

体重管理を意識する

耳が痛いお話かもしれませんが、体重が1キロ減るだけで、歩くときに膝にかかる負担は3キロから4キロ減ると言われています。 急激なダイエットは必要ありません。 少しずつ、自分の膝を労わるつもりで取り組んでみてください。

よくある質問・誤解への回答

ここで、診察室で患者さんからよく受ける質問にお答えします。

Q1. 痛みがあるときは、安静にして動かさないほうがいいですか?

A. 激しい痛みがあるときは安静が必要ですが、基本的には「痛くない範囲で動かす」ことが正解です。 全く動かさないでいると、関節はさらに硬くなり、周りの筋肉もあっという間に衰えてしまいます。 無理のない範囲でのウォーキングや、座ったままでの足の上げ下げ運動を継続することが、長期的な回復につながります。

Q2. 膝の痛みは「年齢のせい」だから治らないのでしょうか?

A. 確かに年齢とともに変化は起きますが、「治らない」わけではありません。 医学的に「変形」自体を完全に元通りにするのは難しい場合もありますが、「痛みを取り除くこと」や「今より楽に歩けるようになること」は十分に可能です。 80代からリハビリを始めて、再び旅行に行けるようになった患者さんはたくさんいらっしゃいます。

Q3. 接骨院や整体と整形外科の違いは何ですか?

A. 整形外科は、医師が診断を行い、レントゲンや薬、注射などの医療行為を提供できる場所です。 接骨院や整体は、主に柔道整復師などによる施術を受ける場所です。 痛みの根本的な原因を医学的に確かめるためには、まず整形外科で診断を受け、その上で自分に合ったケアを組み合わせていくのが最も安全で効果的です。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:諦めないことが、健やかな歩みへの第一歩

膝が痛むと、どうしても気持ちが内向きになり、外出を控えてしまいがちです。 しかし、歩くことをやめてしまうと、心まで元気がなくなってしまいます。 それは、医師として最も避けたい事態です。

膝の痛みは、体からの「少しメンテナンスが必要ですよ」というサインです。 そのサインを無視せず、適切なケアを始めてあげれば、膝は必ず応えてくれます。

歩くことは、自由であることです。 自分の足で行きたい場所へ行き、見たい景色を見る。 そんな当たり前で大切な日常を取り戻すために、まずは一歩、勇気を持って整形外科の扉を叩いてみてください。

私たちは、あなたの「歩きたい」という気持ちを、医学の力で全力でサポートします。 年齢のせいだと諦める前に、まずは今の膝の状態を知ることから始めてみませんか。 お近くの整形外科専門医が、きっとあなたの力になってくれるはずです。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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