
コラム COLUMN
その他 首の痛みと手のしびれがあるときに考えられる疾患を専門医が解説

「最近、首の痛みに加えて手がしびれるようになった…」
「長時間スマホを見た後やパソコン作業をした後に首が重だるくて、手先まで違和感が広がる」
このようなお悩みを訴える方は少なくありません。特に50代以降になると、首や背骨の変化によって症状が現れやすくなります。多くの患者さんが「年齢のせいかな」と思いながらも、不安を抱えつつ受診されます。今回は、首の痛みと手のしびれがあるときに考えられる代表的な疾患と、その対処法について解説します。
この記事の内容
症状や悩みの背景
首の痛みや手のしびれは、日常生活のさまざまな場面で困りごとを引き起こします。
- 家事の最中に物を持つと手がしびれる
- 書き物やスマホ操作で細かい作業がしにくい
- 夜間に手のしびれで目が覚めてしまう
- 首を後ろにそらすと痛みやしびれが悪化する
これらの症状は、放置すると進行する場合もあり、早めの対処が重要です。
首の痛みと手のしびれの原因と考えられる疾患
首と手は神経でつながっており、首の異常が手の症状に直結します。代表的な疾患には以下があります。
頸椎症(けいついしょう)
加齢や生活習慣によって首の骨や椎間板が変形し、神経を圧迫することで痛みやしびれが出ます。中高年に多く見られ、「手の細かい動きが苦手になる」「長時間歩くと足までしびれる」など全身に影響が及ぶこともあります。
頸椎椎間板ヘルニア
椎間板(背骨のクッション)が飛び出し、神経を圧迫する病気です。比較的若い世代にも見られますが、50代以上でも起こりえます。首の動作で症状が強くなり、腕や手の一部に鋭いしびれや痛みが走ることが特徴です。
胸郭出口症候群
首から肩、腕にかけての神経や血管が圧迫されることで起こります。重い物を持つ、手を上に挙げるなどの動作で症状が悪化します。しびれだけでなく、腕のだるさや冷えを伴うこともあります。
その他の原因
高血圧や糖尿病に伴う末梢神経障害、手根管症候群(手首での神経圧迫)なども類似の症状を起こすため、鑑別が必要です。
治療法・対策・予防法
症状が軽度の場合、まずは保存療法(手術以外の方法)が中心となります。
保存療法
- 安静と生活改善:長時間同じ姿勢を避ける、スマホやPC作業の合間にストレッチを行う
- 薬物療法:痛み止めや神経の炎症を抑える薬を使用
- 理学療法(リハビリ):首や肩周囲の筋肉をほぐし、正しい姿勢を保つ訓練を行う
装具療法
頸椎カラー(首を支える装具)を一時的に使用することで、首への負担を減らし症状を和らげます。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて「再生医療」という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体が本来持つ自然治癒力を引き出し、関節や組織の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を点滴で投与することで、膝や股関節だけでなく、腰痛などの慢性疼痛に対しても炎症を抑えたり、組織の修復を促したりする効果が期待されています。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無を医師がしっかり診断したうえで治療を検討することが大切です。
予防法
- 首を前に傾けすぎない(スマホ首予防)
- 枕の高さを見直す
- 軽いストレッチや筋トレで首・肩周囲の筋肉を強化する
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて「再生医療」という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体が本来持つ自然治癒力を引き出し、関節や組織の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を点滴で投与することで、膝や股関節だけでなく、腰痛などの慢性疼痛に対しても炎症を抑えたり、組織の修復を促したりする効果が期待されています。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無を医師がしっかり診断したうえで治療を検討することが大切です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 首が痛くて手がしびれるときは動かさない方がいいですか?
A. 完全に動かさないのではなく、無理のない範囲で軽く動かすことが大切です。ただし強い痛みがある場合は安静を優先し、整形外科を受診しましょう。
Q2. 病院に行く目安は?
A. 痛みやしびれが2週間以上続く、夜眠れないほどつらい、手の力が入りにくいと感じる場合は、早めの受診をおすすめします。
Q3. 手術が必要になることもありますか?
A. 多くは保存療法で改善しますが、神経圧迫が強く進行している場合には手術を検討することもあります。まずは正確な診断を受けましょう。
まとめ:諦めずに早めの対応を
首の痛みと手のしびれは、「年齢のせい」と諦めがちな症状ですが、原因を明らかにして適切な治療を受ければ改善できることが多いです。日常生活の質を守るためにも、不安な症状が続くときは専門医に相談してみてください。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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