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膝 膝が赤く熱を持って腫れたら|発熱の有無と早急に受診したい症状

膝が赤く熱を持って腫れたら|発熱の有無と早急に受診したい症状

膝が赤く、触ると熱を持ち、急に腫れた場合は、発熱がなくても当日中に整形外科へ相談してください。痛風・偽痛風などの炎症だけでなく、関節や皮膚への細菌感染が隠れていることがあります。まずは無理に歩かず、膝を楽な位置で休めましょう。強い痛みで体重をかけられない、赤みが広がる、悪寒がある場合は早急な受診が必要です。意識がぼんやりする、息苦しいなど全身の異変を伴うときは救急要請を検討してください。「熱が出ていないから大丈夫」と判断せず、腫れ方と体調の変化を合わせて確認することが大切です。

この記事の内容

膝が赤い・熱を持つ・腫れるときの受診目安

新しく生じた膝の赤み・熱感・腫れは、原因を確認する必要がある症状です。特に急に始まった場合は、数日間の様子見よりも当日中の診察を優先しましょう。

症状・状況受診の目安
膝が急に赤くなり、熱を持って腫れた発熱がなくても当日中に整形外科へ相談
強い痛みで歩けない、少し動かすだけで激痛がある、赤みや腫れが急速に広がる早急に受診。夜間・休日は救急外来へ相談
膝の腫れに発熱・悪寒・強いだるさを伴う感染症などの確認が必要なため、早急に受診
意識がぼんやりする、息苦しい、冷や汗が出てぐったりしている119番への救急要請を検討
軽い腫れだけで、赤み・熱感・強い痛みがなく、休むと改善する負担を減らし、続く・繰り返す場合は近日中に受診

この表は診断のためではなく、受診時期を考える目安です。症状が重なる場合は、より急ぐ対応を選んでください。

何科を受診すればよいですか?

膝の曲げ伸ばしや歩行で痛みが出る場合は、まず整形外科が適しています。皮膚の赤みや傷が中心なら皮膚科でも対応できますが、自分で区別できなければ整形外科や救急外来へ相談してください。

予約日やかかりつけ医の診療開始を待つ間に悪化している場合は、その時点で診察を受けられる医療機関を選びましょう。

発熱がない膝の腫れも注意が必要な理由

「膝だけが熱い」状態と、体温計で確認する全身の発熱は別です。発熱がなくても、関節に細菌が入り込む化膿性関節炎を否定できません。

一方、細菌感染ではない偽痛風でも発熱することがあります。つまり、体温だけで感染の有無は判断できません。38℃になるまで待つ必要もありません。jbji.copernicus.org

特に、糖尿病がある方、透析中の方、免疫の働きを抑える薬を使用している方は、感染に注意が必要です。人工関節が入っている方や、最近膝の注射・手術を受けた方も、新しい赤みや腫れがあれば当日中に医療機関へ連絡してください。済生会

膝が赤く熱を持って腫れる主な原因

主な原因には、結晶による関節炎、細菌感染、関節の周囲の炎症、けがなどがあります。見た目が似ていても、必要な治療は異なります。

考えられる原因症状や経過の特徴確認したいこと
化膿性関節炎急な腫れ、強い痛み、熱感。発熱がないこともある関節内の細菌感染がないか
偽痛風高齢の方に多く、膝が突然腫れて痛む。発熱することもある結晶による炎症か、感染を伴っていないか
痛風急な赤みや強い痛み。足の親指だけでなく膝にも起こる尿酸の結晶による炎症か
蜂窩織炎皮膚の赤み・熱感・腫れが広がる。傷が目立たない場合もある皮膚と皮下組織の感染がないか
滑液包炎お皿の前など、膝の一部が局所的に腫れる圧迫や摩擦による炎症か、感染か
変形性膝関節症・関節リウマチ関節に炎症が起こり、水がたまることがあるいつもの症状と違う急な変化がないか
打撲・靭帯損傷・関節内の出血転倒やひねった後に腫れる。内出血を伴うこともある骨折や出血、関節の損傷がないか

化膿性関節炎は、早期の診断が大切です

化膿性関節炎とは、関節内に細菌が入り、炎症を起こす病気です。血液の流れに乗って細菌が関節に届く場合もあり、膝に傷がなくても起こります。

治療が遅れると関節の軟骨などが傷むおそれがあるため、疑わしい場合は速やかな検査と治療が必要です。済生会

偽痛風と感染症は、症状だけでは区別できません

偽痛風は、関節にあるピロリン酸カルシウムという結晶が炎症を起こす病気です。高齢の方の膝に起こりやすく、強い痛みや発熱を伴う場合があります。

過去に偽痛風と診断されていても、今回の腫れが同じ原因とは限りません。診察や検査で、感染など別の原因がないかを確認します。一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)

膝の表面だけが腫れる場合もあります

滑液包は、皮膚や腱などの摩擦を減らす小さな袋です。膝をつく作業などで炎症を起こすと、お皿の前が局所的に腫れることがあります。

ただし、滑液包にも細菌感染が起こります。「膝の表面だけだから軽い」とは判断できず、赤みや熱感を伴う場合は診察が必要です。

受診前に確認しておきたいポイント

診察では、腫れている場所だけでなく、症状が始まった時期と変化が重要です。分かる範囲で整理し、無理な曲げ伸ばしで確かめないようにしましょう。

  • いつから腫れ始めたか。数時間で悪化したか、数日かけて変化したか
  • 膝全体か、お皿の前か、膝裏やふくらはぎまで腫れているか
  • 体温、悪寒、だるさ、食欲の変化があるか
  • 転倒、膝をつく作業、皮膚の傷などがあったか
  • 最近受けた注射や手術、人工関節の有無
  • 使用中の薬。特に血液を固まりにくくする薬や免疫を抑える薬

赤みの範囲が変化しているときは、写真と撮影時刻を残すと説明に役立ちます。ただし、記録のために受診を遅らせる必要はありません。

片脚全体やふくらはぎまで急に腫れた場合は、血管内に血の塊ができる病気なども考えるため、当日中に受診してください。胸痛や息苦しさを伴う場合は救急要請を検討します。

受診までに自宅でできる対処法

受診までの対処は、膝への負担を減らし、痛みを和らげることが目的です。原因を治療するものではないため、症状が軽くなっても受診の必要性は別に考えます。

歩行や運動を控え、楽な位置で休む

階段、しゃがみ込み、長い距離の歩行は控えてください。強い炎症がある間は、ストレッチや筋力トレーニングを無理に行わないことが大切です。

横になり、クッションなどで脚を支えて休みましょう。膝を無理に伸ばしたり曲げたりせず、痛みの少ない位置にします。

冷やす場合は、皮膚を保護して短時間にする

熱感や痛みがある場合は、保冷剤をタオルで包み、皮膚の状態を確認しながら短時間当てると楽になることがあります。氷を直接当てたり、冷やしたまま眠ったりしないでください。

皮膚の感覚が鈍い方や血流の問題がある方は、冷やし過ぎに気づきにくいため注意が必要です。冷却で痛みが増す場合は中止しましょう。

痛風発作でも、安静と冷却は応急処置の選択肢です。ただし、冷却だけで原因を治療することはできません。tufu.or.jp

温める・もむ・薬を追加する自己判断は避ける

赤く熱を持つ膝を、長風呂や温熱器具で積極的に温めることは控えましょう。強いマッサージや、きついサポーターでの締め付けも避けてください。

余っている抗菌薬やステロイド薬を自己判断で使わないでください。普段の処方薬は勝手に中止せず、服用した薬の名前と時刻を受診先に伝えます。

整形外科ではどのような検査をしますか?

検査は、炎症が関節の中にあるのか、皮膚や周囲の組織にあるのかを確かめながら選びます。感染が疑われるときは、画像検査だけでなく関節液検査が重要です。

診察・血液検査

医師は腫れの範囲、皮膚の傷、動かしたときの痛み、全身状態などを確認します。血液検査では白血球やCRPという炎症の指標などを調べます。

ただし、血液検査の数値だけで、細菌感染がある・ないと決めることはできません。jbji.copernicus.org

関節液検査

関節液検査は、針で関節内の液を採り、細菌や結晶、炎症に関わる細胞を調べる検査です。

「水を抜く」と聞くと腫れを減らす処置を想像しがちですが、赤く熱を持つ膝では、原因を調べるために行う意味があります。結晶が見つかっても、感染を同時に起こしている可能性は残るため、必要に応じて細菌の培養検査も行います。jbji.copernicus.org

レントゲン・超音波・MRI

レントゲンは骨折、関節の変形、石灰化などの確認に役立ちます。超音波は液がたまっている場所や量、周囲の組織を調べるために使います。MRIは、骨や深い部分への炎症の広がりなどを確認したい場合に検討します。

初期の感染はレントゲンで分からない場合があります。また、MRIを受けることが診察の前提ではありません。感染が疑われる場合は、MRIの予約日まで待つのではなく、必要な検査と治療を優先します。済生会

画像に変形があっても、今回の腫れの原因とは限りません

もともと変形性膝関節症がある膝に、偽痛風や感染が加わることもあります。レントゲンで軟骨のすり減りが見つかったとしても、突然の赤みや強い熱感を、その所見だけで説明できるとは限りません。

整形外科の診察では、「以前からある画像の変化」と「今回急に生じた症状」を分けて考えることが重要です。

治療方法と手術を考えるタイミング

治療は原因によって変わります。薬や安静で対応できる病気がある一方、感染が原因の場合は早期に手術が必要になることがあります。

感染がない場合は、薬や負担の調整で改善を目指します

痛風・偽痛風では、炎症を抑える薬や安静などで症状の軽減を図ります。薬は、腎臓の働き、胃腸の病気、飲み合わせなどを考えて選びます。

状況によっては関節液の排出やステロイドの関節内注射を検討しますが、感染が疑われる段階で安易にステロイド注射を行うことは避けます。

変形性膝関節症などが原因の場合も、急な炎症が落ち着いてから、運動療法や生活動作の調整を進めます。一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)

感染がある場合は、抗菌薬や膿を取り除く処置が必要です

蜂窩織炎では抗菌薬が治療の中心となり、重症度によって飲み薬、点滴、入院などを選びます。膿がたまっている場合は、切開して出す処置が必要なこともあります。ncgg.go.jp

膝の化膿性関節炎では、抗菌薬に加えて、関節内を洗浄し、膿や感染した組織を取り除く手術が必要になることがあります。

この場合の手術は、傷んだ関節を人工関節に置き換える手術とは目的が異なります。感染を抑えて関節を守るための治療であり、「まず長期間、薬だけで様子を見る」という進め方が適さない場合があります。済生会

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ|発熱だけで判断せず、急な赤み・熱感・腫れは早めに受診を

膝が赤く熱を持って腫れた場合は、発熱の有無だけで様子見を決めないことが大切です。

  • 急に生じた赤み・熱感・腫れは、発熱がなくても当日中に整形外科へ相談しましょう。
  • 偽痛風や痛風と細菌感染は、見た目だけでは区別できません。
  • 受診までは無理に歩かず、必要に応じて短時間冷やし、温めたりもんだりすることを控えましょう。
  • 検査は原因に合わせて選びます。感染が疑われる場合は、MRIの予約を待たずに診察が必要です。
  • 意識の変化や息苦しさなど全身の異変を伴う場合は、救急要請を検討してください。

「いつもの膝痛」と違う腫れが出たときは、自己判断せず、整形外科で原因を確認しましょう。

よくある質問

膝が赤く腫れていても、歩ければ翌日まで待ってよいですか?

歩けることだけでは、急ぐ病気がないとは判断できません。新しく赤み・熱感・腫れが出た場合は当日中に相談してください。夜間でも、急速な悪化、強い痛み、悪寒などがあれば救急外来へ連絡しましょう。

湿布で痛みが減ったら、病院へ行かなくてもよいですか?

痛みが減っても、原因が解消したとは限りません。湿布では細菌感染を治療できず、痛みだけが一時的に軽くなることもあります。急な赤み・熱感・腫れがある場合は、改善を理由に受診を先延ばしにしないでください。

膝の注射後に赤く腫れました。よくある反応でしょうか?

一時的な反応の場合もありますが、感染との区別が必要です。赤みや熱感が出た場合は、注射を受けた医療機関へ当日中に連絡してください。痛みや腫れが増す、発熱がある、歩けない場合は早急に受診しましょう。

膝の水を抜くと、繰り返したまる癖になりますか?

水を抜くこと自体が、たまる癖をつけるわけではありません。原因となる炎症が続くと、再びたまることがあります。急に赤く熱を持った膝では、液を調べて感染や結晶による炎症を見分けることが大切です。

参考文献・参考情報

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

(プロフィール)


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

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