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肩が抜けそうになる?肩関節不安定症の原因と治療法を専門医が解説

肩が抜けそうになる?肩関節不安定症の原因と治療法を専門医が解説

「肩が外れそうな感じがする」「腕を上げるとズレるような違和感がある」——そんな不安定な肩の症状を感じたことはありませんか?それは、いわゆる「肩関節不安定症」と呼ばれる状態かもしれません。放置すると脱臼を繰り返すこともあり、スポーツや日常生活に支障をきたすことがあります。この記事では、整形外科専門医の立場から、肩が“抜けそう”に感じる原因と治療法についてわかりやすく解説します。

肩関節不安定症とは?

肩関節は体の中でもっとも可動域の広い関節です。その一方で、関節を安定させる骨や靭帯、筋肉のバランスに少しでも乱れがあると、「外れそう」「ズレる」「抜けるような感覚」といった不安定さが生じやすい構造でもあります。

このような状態を「肩関節不安定症」と呼び、完全に関節が外れてしまう「脱臼」の手前の段階を含みます。特にスポーツで腕を大きく動かす方や、以前に脱臼を経験した方では再発しやすい傾向があります。

どんなときに症状が出やすい?

多くの方は、以下のような場面で「抜けそう」と感じることが多いです。

  • ボールを投げた瞬間(投球動作)
  • 洗濯物を干すなど、腕を高く上げたとき
  • 寝返りや着替えのときにズキッと痛む
  • 過去に脱臼をしてから、なんとなく不安定な感覚が続く

特に「上腕骨」と「肩甲骨」をつなぐ関節包や靭帯が緩んでいると、こうした動作で関節がずれやすくなります。

肩関節不安定症の原因

原因は大きく分けて3つあります。

① 外傷によるもの

転倒やスポーツで強い衝撃を受け、肩が一度脱臼したことがある場合、その後に靭帯や関節唇(かんせつしん:関節を安定させる軟骨の縁)が損傷し、不安定さが残ることがあります。

② 反復性脱臼(繰り返す脱臼)

初回の脱臼後、関節の構造が弱くなり、日常の動きでも外れやすくなる状態です。若年者やスポーツ選手に多くみられます。

③ 靭帯のゆるみや筋力低下

特に中高年では、筋力の低下や加齢による靭帯のゆるみから、関節の支えが弱くなり、脱臼しなくても不安定さを感じることがあります。姿勢の崩れも影響します。

治療法:保存療法と手術療法

肩関節不安定症の治療は、原因と症状の程度によって大きく2つに分かれます。

1. 保存療法(手術をしない治療)

多くの軽症例では、筋力トレーニングやリハビリで改善が期待できます。特に「腱板筋(けんばんきん)」と呼ばれる肩のインナーマッスルを鍛えることで、関節を安定させる効果があります。また、姿勢の改善も重要で、猫背や巻き肩は肩のズレを助長するため注意が必要です。

2. 手術療法

脱臼を繰り返す場合や、関節唇が損傷している場合は、関節鏡(内視鏡)による修復手術を検討します。小さな切開で関節内部を修復でき、再脱臼のリスクを下げる効果があります。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

日常生活での注意とセルフケア

  • 急に腕を上げたり後ろに引いたりしない
  • 重い荷物を持ち上げるときは体に近づけて持つ
  • 肩のインナーマッスルを鍛える軽い運動を継続する
  • 睡眠中に肩を圧迫しないよう、姿勢にも気をつける

これらを続けることで、肩の安定性を保ちやすくなります。

よくある質問(Q&A)

Q. 肩が外れそうな感覚だけで病院に行くべき?
A. はい。実際に脱臼していなくても、靭帯や関節唇の損傷がある場合があります。早期診断で再発予防ができます。

Q. 一度治っても再発しますか?
A. 筋力が戻らなかったり、姿勢が悪いままだと再発の可能性はあります。リハビリを続けて関節を安定させることが大切です。

Q. スポーツ復帰はどのくらいでできますか?
A. 保存療法で安定してくるまで約2〜3か月、手術後は3〜6か月が目安です。医師と相談しながら段階的に再開しましょう。

まとめ:肩の「抜けそう」は放置せず早めに相談を

肩が抜けそうな感覚があるとき、それは関節の異常のサインかもしれません。早めに専門医で診断を受け、リハビリや再生医療など、自分に合った治療法を見つけることで、肩の安定性を取り戻すことができます。日常生活の工夫と継続的なケアで、再発を防ぎながら快適な動きを取り戻しましょう。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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