コラム COLUMN
その他 人工関節置換術後のスポーツ活動
はじめに
人工関節置換術後、スポーツができるかどうかについて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。手術を受けた後にどの程度の運動が許容されるのか、またどのようなスポーツが推奨されるのかを知ることは重要です。多くの文献や専門家の意見によれば、人工関節置換術後も適度なスポーツ活動は一般的に許容されるとされています。
術後に推奨されるスポーツ
術後に推奨されるスポーツとしては、以下のような低負荷の運動が挙げられます。
- ウォーキング:リハビリテーションの一環としても非常に有効です。骨と筋肉の強化に役立ち、バランス感覚を養う効果があります。
- 水中歩行やスイミング:水中では関節への負担が軽減されるため、安全に運動が可能です。
- ゴルフ:特に人工膝関節置換術を受けた患者さんにとっては、無理のない範囲で楽しむことができます。
注意が必要なスポーツ
一方で、以下のようなスポーツは、人工関節に過度の負担をかける可能性があるため、注意が必要です。
- ジョギングやマラソン:繰り返し強い衝撃が加わるため、人工関節への負担が大きくなります。
- コンタクトスポーツ(ラグビーや柔道など):強い接触が伴うため、脱臼や骨折のリスクが高まります。
スポーツの選び方
術前にスポーツ経験がある方は、無理のない範囲で以前のスポーツを再開することが可能です。しかし、新たにスポーツを始める場合は、医師や理学療法士と相談しながら、自分の体力や関節の状態に合った運動を選ぶことが重要です。
術後の注意点
人工関節置換術後にスポーツをする際には、以下の点に注意する必要があります。
- 適度な運動:無理をせず、適度な運動を心がけることが重要です。特に高齢者の場合、転倒防止のためのバランス運動も推奨されます。
- 医師との相談:スポーツを再開する前に、必ず主治医と相談し、自分に合った運動量や運動の種類を確認しましょう。
- 体の反応を観察:運動中や運動後に関節に痛みや不快感がある場合は、すぐに運動を中止し、医師に相談してください。
最新の技術と手術手技の進歩
近年、人工関節の素材や手術手技も進化しています。ポリエチレンの技術の進歩により、摺動面の摩耗が低減され、人工関節の耐久性が向上しました。また、最小侵襲手術(MIS)によって、筋肉へのダメージを最小限に抑えることが可能となり、術後のリハビリがスムーズに進むようになっています。
まとめ
人工関節置換術後のスポーツ活動は、適切な運動を選び、無理のない範囲で行うことで、生活の質を向上させることができます。術後のリハビリを兼ねて、ウォーキングや水中運動などを積極的に取り入れ、健康的な生活を送りましょう。また、スポーツを再開する際には、必ず医師と相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。人工関節の進歩と共に、より多くの方々が術後も積極的にスポーツを楽しめるようになることを願っています。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
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