スポーツ障害でよくある7つの質問に専門医がやさしく回答

多くの方が気になるスポーツ障害について、整形外科専門医の立場からよくある質問をまとめました。やさしい言葉でお答えしていますので、ご参考ください。

Q1. スポーツ障害とは何ですか？

A. スポーツを続ける中で繰り返しの動作や負担により体の一部に起こる慢性的なケガのことです。野球肩やテニス肘、ジャンパー膝などが代表例です。

Q2. スポーツ障害とスポーツ外傷の違いは？

A. スポーツ障害は繰り返しの負担で起こる慢性的なケガ、スポーツ外傷は転倒や衝突など一度の強い衝撃で起こる急性のケガです。

Q3. スポーツ障害はどの年代に多いですか？

A. 成長期の子どもから中高年の方まで幅広く見られます。特に成長期は骨や筋肉が未成熟で、無理な練習で障害が出やすいです。

Q4. スポーツ障害の予防法はありますか？

A. ウォーミングアップとクールダウン、筋力や柔軟性のバランス維持が大切です。無理な練習を避け、休養を取ることも予防につながります。

Q5. スポーツ障害になったときはどうすればいいですか？

A. まずは安静にし、痛みが続く場合は整形外科を受診してください。繰り返すと慢性化しやすいため早めの診断が大切です。

Q6. スポーツ障害には再生医療は有効ですか？

A. PRP療法や幹細胞治療などが一部の障害に有効とされます。自然治癒力を高める可能性がありますが、適応は症状によって異なります。

Q7. スポーツ障害は完治しますか？

A. 適切な治療とリハビリで改善可能です。ただし放置すると慢性化するため、早期受診がおすすめです。

スポーツ障害は正しい知識と対策で防ぎ、治すことができます。気になる症状がある方は、早めにご相談ください。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP（多血小板血漿）治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。