
コラム COLUMN
肩 腕を上げると痛い肩の症状|放置してはいけない病気とは

「上の棚に手を伸ばすと肩がズキッと痛む」「洗濯物を干すのがつらい」「夜に寝返りを打つと肩が痛んで目が覚める」――こうした経験はありませんか?
肩の痛みは年齢とともに増える身近な症状のひとつですが、放置すると日常生活に大きな支障をきたすことがあります。特に「腕を上げると痛い」という症状には、早めの対処が大切です。
この記事の内容
肩の痛みはどんなときに出やすい?
多くの方が訴えるのは次のような場面です。
・洗濯物を干す、棚の上の物を取るとき
・シャンプーで髪を洗うとき
・寝返りや布団から起き上がるとき
・服の着替えで腕を通すとき
初めは「少し動かしにくい」「痛みは軽い」と感じる程度でも、徐々に肩が上がらなくなったり、夜間痛で眠れなくなることも少なくありません。
考えられる原因と病気
「腕を上げると肩が痛い」ときに考えられる主な病気には、次のようなものがあります。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
肩の関節を動かす組織に炎症が起き、動かすと強い痛みを感じます。年齢とともに多くなる代表的な肩のトラブルで、放置すると可動域が狭まり「肩が固まる」こともあります。
腱板断裂(けんばんだんれつ)
肩の動きを支える「腱板」というスジが切れてしまう病気です。転倒などの外傷で起きる場合もあれば、加齢によって徐々に進行することもあります。完全に断裂すると、力が入らず腕が上がらなくなることもあります。
石灰沈着性腱板炎
肩の腱にカルシウムが沈着し、急激な強い痛みを引き起こす病気です。夜眠れないほどの痛みを訴える方も少なくありません。
関節の変形や肩の関節唇損傷
スポーツ歴がある方や長年肩を酷使してきた方では、関節の変形や軟骨の損傷が原因で痛みが出ることもあります。
自分でできる対策と病院での治療
症状の程度によって対応は異なりますが、基本的には次のような流れになります。
保存療法
・安静にしつつ、痛みを和らげる薬や湿布を使う
・温熱療法や物理療法で血流を良くする
・リハビリ(ストレッチや肩周囲の筋力トレーニング)で動きを保つ
注射や投薬
炎症が強い場合には関節内注射(ステロイドやヒアルロン酸)が行われることもあります。痛みを抑えて動かしやすくすることで、リハビリ効果を高めます。
手術が必要なケース
腱板断裂が大きい場合や保存療法で改善しない場合は、関節鏡手術などが検討されます。
再生医療(新しい選択肢として)
近年では、自己血を利用したPRP療法や、脂肪由来の幹細胞を活用する治療も行われています。これらはまだすべての方に適応できるわけではありませんが、将来的に選択肢のひとつとして広がってきています。
よくある質問と誤解
Q. 痛いときは動かさない方がいいですか?
→ 完全に動かさないのは逆効果です。無理のない範囲でストレッチやリハビリを続けることが、回復を早めます。
Q. 年齢のせいだから仕方ないのでは?
→ 確かに加齢が関わることは多いですが、「治らない」とは限りません。適切な治療や運動で改善が期待できます。
Q. どのくらいで病院に行くべき?
→ 強い痛みが2週間以上続く、夜眠れない、腕が上がらないなどの症状があれば、早めに受診してください。
まとめ:肩の痛みは改善できる
「腕を上げると痛い肩の症状」は、多くの方が経験する身近な問題ですが、放置すると関節の動きが固まり、生活の質が大きく下がってしまいます。
早めの診断と適切な治療で、再び快適な日常を取り戻すことができます。「年齢のせいだから」と諦めず、一歩踏み出して専門医に相談してみましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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