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長時間歩いたあとに膝が痛むのはなぜ?原因と再発防止の対処法を整形外科専門医が解説

長時間歩いたあとに膝が痛むのはなぜ?原因と再発防止の対処法を整形外科専門医が解説

せっかくの旅行や、健康のためのウォーキングを楽しんだあと、膝がズキズキと痛んだり、重だるく感じたりすることはありませんか。

「昔はこれくらい平気だったのに」 「翌朝、膝がこわばって立ち上がるのがつらい」

クリニックには、このようなお悩みを持つ50代から80代の方がたくさん来院されます。特に、久しぶりに遠出した際や、少し気合を入れて歩数を増やしたあとに痛みが出ると、これから先も自分の足で歩き続けられるのか、不安になってしまいますよね。

実は、長時間歩いたあとの膝の痛みには、身体からの大切なサインが隠されています。今回は整形外科専門医の視点から、なぜ歩いたあとに膝が痛むのか、その理由と、痛みを繰り返さないための具体的な対策についてお話しします。

長時間歩いたあとに膝が痛む場面とよくある悩み

みなさんは、どのようなときに膝の痛みを感じるでしょうか。患者さんからよく伺うのは、以下のような場面です。

・旅行で1日中観光した日の夜、膝の裏や内側が重く痛む ・ウォーキングの後半から膝のお皿の周辺が熱を持ってくる ・階段を降りるときに、膝がカクッとして力が入らなくなる ・翌朝、膝が膨らんでいるような違和感があり、曲げ伸ばしがしにくい

こうした症状があると、外出するのが億劫になり、家に閉じこもりがちになってしまいます。しかし、動かないことで筋力が落ち、さらに膝への負担が増えるという悪循環に陥ることも少なくありません。まずは、なぜ痛みが出るのかという仕組みを理解することから始めてみましょう。

膝の痛みの正体とは?医学的な原因をわかりやすく解説

長時間歩いたあとの痛みには、大きく分けて3つの原因が考えられます。難しい言葉を使わずに説明しますね。

1. 膝のクッションの摩耗(変形性膝関節症の初期症状)

膝の関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)が組み合わさっており、その表面は軟骨という滑らかなクッションで覆われています。車で例えるなら、タイヤの溝やショックアブソーバーのような役割です。

長年歩き続けていると、このクッションが少しずつすり減っていきます。特に50代以降は、長年の蓄積によって軟骨が薄くなり、長時間歩くことで骨同士が刺激し合ったり、剥がれ落ちた軟骨の破片が関節の袋を刺激したりして、炎症(火事のような状態)が起きてしまいます。これが、歩いたあとのズキズキとした痛みの正体であることが多いのです。

2. 関節を支えるサスペンション(筋力)の低下

膝を支えているのは骨や軟骨だけではありません。膝の周りにある筋肉、特に太ももの前側にある大きな筋肉が、歩くときの衝撃を吸収するサスペンションの役割を果たしています。

年齢とともにこの筋力が低下すると、本来筋肉で受け止めるべき衝撃が、ダイレクトに関節へと伝わってしまいます。長時間歩くということは、弱ったサスペンションでデコボコ道を走り続けるようなものです。その結果、膝の関節や周囲の腱に過度な負担がかかり、痛みが生じるのです。

3. 関節内の潤滑液の変化と腫れ

膝の関節の中には、関節液という潤滑油のような液体が入っています。長時間歩いて摩擦が強まると、関節を守ろうとしてこの液が過剰に分泌されることがあります。これがいわゆる「膝に水が溜まる」という状態です。水が溜まると関節内の圧力が上がり、膝が重だるくなったり、曲げにくくなったりするのです。

痛みを繰り返さないための具体的な治療法と対策

膝の痛みを感じたら、まずは無理をしないことが一番ですが、それだけでは根本的な解決になりません。再発を防ぐための具体的な方法をご紹介します。

痛みが出た直後のセルフケア

もし歩いたあとに膝が熱を持っていたり、ズキズキしたりする場合は、まずは安静にしましょう。熱感があるときは、氷水を入れた袋などで15分ほど冷やすと、炎症(火事)を鎮めるのに効果的です。逆に、数日経って痛みが落ち着き、鈍い重さだけが残っている場合は、お風呂などでゆっくり温めて血流を良くするのが良いでしょう。

病院で行う保存療法(手術をしない治療)

整形外科では、まずはレントゲンなどで膝の状態を確認します。多くの場合は、手術をせずに改善を目指す保存療法が行われます。

・お薬や湿布:炎症を抑え、痛みを和らげます。 ・関節注射:ヒアルロン酸などの関節液を補う注射を行い、動きをスムーズにします。 ・装具療法:膝の負担を減らすサポーターや、足の裏のアーチを支えるインソール(足底腱膜)を作成し、歩き方のバランスを整えます。

自宅でできる簡単トレーニングとストレッチ

膝の痛みを予防する最大のポイントは、膝を守る筋肉を育てることです。

特におすすめなのが、椅子に座ったままできる足上げ運動です。背筋を伸ばして椅子に座り、片方の膝をゆっくり真っ直ぐ伸ばします。そのまま5秒間キープして、ゆっくり下ろす。これを左右10回ずつ繰り返すだけで、太ももの筋肉が鍛えられ、膝への衝撃を減らすことができます。

また、ふくらはぎのストレッチも重要です。ふくらはぎが硬いと足首の動きが悪くなり、その分膝に負担が集中してしまいます。壁に手をついてアキレス腱を伸ばすような、昔ながらのストレッチを毎日数分続けるだけでも効果があります。

生活習慣の見直し

歩き方や靴選びも大切です。 靴は、底が薄すぎるものや硬すぎるものは避け、クッション性の高いウォーキングシューズを選びましょう。また、歩くときは「膝を伸ばし切らない」ように意識し、少し歩幅を狭めることで、着地時の衝撃を和らげることができます。

さらに、体重管理も無視できません。膝には歩行時に体重の約3倍、階段の上り下りでは約5倍の負荷がかかると言われています。1キロ体重が減るだけで、膝への負担は3キロから5キロ軽くなります。急激なダイエットは必要ありませんが、膝のためにも少しずつ意識してみるのが良いでしょう。

よくある質問・誤解への回答

膝の痛みについて、診察室でよく受ける質問にお答えします。

膝が痛いときは、全く動かさないほうがいいのでしょうか?

強い痛みや熱があるときは安静が必要ですが、全く動かない期間が長すぎると、関節が固まり(拘縮)、周囲の筋肉もあっという間に衰えてしまいます。 痛みが落ち着いてきたら、無理のない範囲で少しずつ動かし始めるのが正解です。水中ウォーキングやサイクリングなど、膝に体重がかかりにくい運動から再開するのも、機能回復には非常に効果的です。

膝の痛みは「年齢のせい」だから治らないのでしょうか?

「もう歳だから仕方ない」と諦めてしまう方がいらっしゃいますが、それは大きな誤解です。 確かに関節の経年変化はありますが、適切なセルフケア、筋力トレーニング、そして医療機関での治療を組み合わせることで、痛みを大幅に軽減し、以前のように歩けるようになる方はたくさんいらっしゃいます。年齢は一つの要因に過ぎず、対策次第で膝の健康は守ることができます。

ウォーキングは毎日1万歩歩いたほうがいいのでしょうか?

健康のために「1日1万歩」という目標をよく耳にしますが、膝に不安がある方の場合は、歩数よりも「質」と「継続」が大切です。 膝が痛むのを我慢してまで1万歩歩く必要はありません。まずは3000歩、5000歩と、痛みが出ない範囲から始めましょう。調子が悪い日は無理をせず休む。自分の膝と対話しながら、心地よく続けられる歩数を見つけることが、長く歩き続けるための秘訣です。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ

長時間歩いたあとの膝の痛みは、「少し膝を休ませてあげて」「もう少し筋肉で支えてほしい」という、体からの優しい警告です。

膝が痛むと、どうしても気持ちが沈んでしまいがちですが、決して諦める必要はありません。正しい知識を持ち、今の自分の状態に合ったケアを取り入れることで、膝の状態は必ず変わっていきます。

私たち整形外科医は、単に痛みを止めるだけでなく、みなさんが再び「自分の足でどこへでも行ける喜び」を取り戻せるようサポートするために存在しています。もし、数日休んでも痛みが引かない場合や、歩くのが不安でたまらないときは、どうぞお気軽に専門医に相談してください。

あなたの膝は、これまで何十年もあなたを支えてきてくれました。これからは少しずつ労わりながら、一生付き合っていける「最高のパートナー」にしていきましょう。改善の方法は必ずあります。一歩ずつ、一緒に前へ進んでいきましょう。

次の一歩として、まずは今日から椅子に座ったままの足上げ運動を、テレビを見ながら始めてみるのはいかがでしょうか。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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