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その他 偽痛風とは?

偽痛風とは?

偽痛風(ぎつうふう)は、関節内にピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)が沈着することにより発症する関節炎の一種です。その名前は、発作時の症状が痛風と似ていることから名付けられましたが、痛風とは原因も治療法も異なります。偽痛風は特に高齢者に多く見られる疾患で、膝関節などの大きな関節に発症することが特徴です。

偽痛風と痛風の違い

偽痛風と痛風は名前や症状が似ていますが、原因や特徴、治療法にいくつかの違いがあります。

偽痛風の症状

偽痛風の主な症状は以下の通りです。

  • 激しい関節痛:突然、関節が腫れ、赤くなり、激しい痛みを伴います。動かすことが困難になるほどの痛みを感じることがあります。
  • 好発部位:膝関節が最も多く、その他にも肩、手首、足首、肘などの関節が影響を受けることがあります。首の関節に発症する場合もあり、その場合は急に首が回らなくなる症状が出ることがあります。
  • 発熱:関節の炎症に伴い、38℃以上の発熱を伴うことがあります。
  • 繰り返す発作:発作は頻繁ではなく、数年おきに異なる関節で発症することがあります。

偽痛風の原因

偽痛風の主な原因は、関節軟骨や周囲の組織にCPPD結晶が沈着することです。しかし、なぜこれらの結晶が形成されるのかについては、明確な原因が特定されていない場合が多いです。加齢、関節の損傷、慢性的な関節炎がリスク要因とされています。また、以下の要因も関連することがあります。

  • 代謝異常:副甲状腺機能亢進症や低マグネシウム血症。
  • 関節疾患:変形性関節症やリウマチ性疾患。

偽痛風の診断方法

偽痛風の診断には、以下の検査が行われます。

  • レントゲン検査:関節軟骨の石灰化が確認されることがあります。
  • 関節液検査:関節液を採取し、顕微鏡でCPPD結晶を確認します。この結晶は菱形や桿状の形をしており、偏光顕微鏡で弱い複屈折性を示します。
  • 血液検査:他の関節炎との鑑別のため、炎症反応(CRPや白血球数)や尿酸値の測定が行われます。

偽痛風の治療法

現在、偽痛風を根本的に治す特効薬はありません。ただし、症状を和らげる治療法がいくつかあります。

  • 急性発作の治療
    ・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用して炎症を抑えます。
    ・冷却療法(アイスパック)を用いることで痛みを軽減します。
    ・関節液の排出を行い、炎症を緩和します。
    ・必要に応じて、関節内にコルチコステロイドを注射します。
  • 慢性的な症状への対応
    関節変形が進行した場合は、人工関節置換術が検討されることがあります。

病院での相談のポイント

偽痛風が疑われる場合、特に以下の症状があるときは整形外科やリウマチ専門医を受診することが推奨されます。

  • 突然の関節痛と腫れ
  • レントゲンや血液検査で原因が明確でない場合
  • 痛みが頻繁に再発する場合

専門医は、正確な診断と適切な治療を提供するため、関節液検査などの高度な検査を行うことができます。

偽痛風と生活習慣

偽痛風は代謝性疾患ではないため、特定の食事療法は必要ありません。ただし、以下の点に注意することで症状を管理しやすくなります。

  • 急性発作時は安静に:炎症が治まるまで関節を安静に保ちましょう。
  • 通常の生活に戻る:発作がおさまった後は過度な安静は不要です。
  • 早期治療を心掛ける:症状が現れたら放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ

偽痛風は痛風と似た症状を持つ疾患ですが、異なるメカニズムによって発症します。高齢者に多く見られる疾患で、急性発作が主な特徴です。適切な診断と治療を受けることで、多くの場合、症状を管理しやすくなります。関節の痛みや腫れに悩んでいる場合は、早めに専門医に相談しましょう。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

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