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腰 椎間板ヘルニアでやってはいけないこと|悪化を防ぐ生活習慣と注意点を解説

この記事の内容
椎間板ヘルニアとは?
椎間板ヘルニアは、背骨を構成する椎骨と椎骨の間にある「椎間板」が変性し、突出して神経を圧迫する病気です。頚椎(首の部分)や腰椎(腰の部分)で発生することが多く、腰椎での発生が特に一般的です。
主な症状は、腰や脚、首や肩にかけての痛み、しびれ、感覚障害、筋力低下など。症状が進行すると、日常生活に支障をきたすこともあります。
この記事では、椎間板ヘルニアと診断された方が注意すべき「やってはいけないこと」を具体的に解説します。
椎間板ヘルニアでやってはいけないこと
頚椎椎間板ヘルニアの場合
- コンタクトスポーツや激しい運動
ラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツは、首に衝撃を与えやすいため避けるべきです。こうした衝撃は、椎間板の損傷を悪化させる可能性があります。首を守るためには、無理のない運動を選びましょう。
- 猫背や悪い姿勢
猫背や椅子に浅く座る姿勢は、頚椎に負担をかけます。首だけでなく全身の姿勢を意識し、背骨全体を自然なS字カーブに保つことが重要です。正しい姿勢は症状の悪化を防ぐだけでなく、痛みの軽減にもつながります。
- 首を酷使する動作
首を過度に曲げる動作や急激な動きは、椎間板への負担を増やします。長時間のスマホ操作やパソコン作業では、適宜休憩を挟み、首の位置を調整しましょう。
- バイクや自転車での転倒
転倒による衝撃は、頚椎を傷めるリスクがあります。自転車やバイクを使用する際は、転倒しにくい環境や適切な装備で安全に乗ることを心がけましょう。
腰椎椎間板ヘルニアの場合
- 長期間の安静
痛みのため動かずにいると、筋力や柔軟性が低下し、症状が悪化する可能性があります。痛みが強い場合も、できる範囲で軽い運動を取り入れることが大切です。
- 前傾姿勢で重いものを持つ
腰を曲げた状態で物を持ち上げる動作は、椎間板に大きな負担をかけます。物を持つ際は、膝を曲げて腰を落とし、背筋を伸ばして持ち上げるようにしましょう。
- 喫煙
椎間板周囲の血流を悪化させ、椎間板の健康を損ないます。ヘルニアの進行を抑えるためにも、禁煙を検討しましょう。
- 無理な運動やコンタクトスポーツ
腰に過剰な負担をかける運動は避けましょう。特にジャンプや激しい衝突を伴うスポーツは、腰椎をさらに悪化させる可能性があります。
共通して注意すべき生活習慣
- 正しい姿勢を維持する
椎間板ヘルニアの予防・悪化防止には、日常生活での姿勢改善が重要です。デスクワーク中は背もたれを使い、腰をしっかり支える姿勢を心がけましょう。
- 適度な運動を心がける
ウォーキングやストレッチ、水泳など、負担の少ない運動を取り入れましょう。運動は血流を改善し、筋力維持に役立ちます。
- 禁煙を実践する
タバコの有害物質は、ヘルニアの回復を妨げるだけでなく、再発リスクも高めます。
- ストレスを溜めない
ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、症状を悪化させることがあります。リラクゼーション法や趣味の時間を活用して、心身の健康を保ちましょう。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。
まとめ
椎間板ヘルニアでやってはいけないことを正しく理解し、生活習慣を見直すことが、回復への近道です。
姿勢の改善や適切な運動の実践、禁煙など、できることから始めましょう。もし症状が悪化した場合や不安がある場合は、医師に相談することをお勧めします。
健康的な生活を続けることで、ヘルニアとうまく付き合いながら快適な日常を送ることが可能です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 椎間板ヘルニアでやってはいけない動作はありますか?
A. 腰を丸めて重い物を持ち上げる、長時間の前かがみ姿勢、激しいスポーツなどは避けましょう。神経圧迫が悪化する恐れがあります。
Q2. 安静にしていれば椎間板ヘルニアは治りますか?
A. 過度な安静は筋力低下を招き逆効果です。痛みが許す範囲で軽い運動やストレッチを行うことが回復につながります。
Q3. ヘルニアの悪化を防ぐ生活習慣には何がありますか?
A. 正しい姿勢、禁煙、適度な運動、ストレス管理が重要です。再発予防にもつながるので日常的に意識しましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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