
コラム COLUMN
スポーツ外傷膝 半月板損傷で悪化させないために|やってはいけないNG行動とは?

膝の関節内にある「半月板」は、クッションのような役割を果たしており、膝の動きを滑らかにしたり、衝撃を吸収する重要な組織です。しかし、スポーツや日常生活の中でこの半月板が損傷すると、強い痛みや腫れ、膝が引っかかるような違和感が生じることがあります。
この記事では、「半月板損傷のときにやってはいけないこと」を中心に、再生医療を取り入れた治療の考え方や日常生活での注意点について、わかりやすく解説していきます。
半月板損傷とは?どんな人に多い?
半月板損傷は、スポーツで膝をひねったり、高齢者の変形性膝関節症に伴って生じることが多いケガです。若年層ではサッカーやバスケットボールなどの激しい動きによって、年齢を重ねた方では加齢による変性が背景となって起こることがあります。
症状としては、
- 膝の痛み
- 動かすと引っかかる感覚
- 膝に水がたまる
- 階段の上り下りでの違和感
などが代表的です。
診断にはMRIなどの画像検査が有効で、損傷の位置や重症度によって治療法が異なります。
半月板損傷のとき「やってはいけないこと」
半月板損傷を抱えているとき、間違った対処をしてしまうと状態が悪化することがあります。以下の行動は避けるべきです。
1. 痛みを我慢して動き続ける
「少し痛いけどそのうち治るだろう」と考えて、無理に運動を続けるのはNGです。損傷した半月板に繰り返し負荷がかかると、断裂が広がり、修復が難しくなる可能性があります。
2. 膝の曲げ伸ばしを繰り返す
膝を頻繁に曲げ伸ばしすることで、断裂した部分が引っかかりやすくなり、ロッキング(膝が動かなくなる状態)を引き起こすことがあります。膝を完全に曲げたり深くしゃがむような動作は避けましょう。
3. ストレッチや筋トレを独断で始める
リハビリは大切ですが、炎症や損傷が落ち着いていない段階でのストレッチや筋トレは逆効果です。専門医や理学療法士の指導を受けながら、適切なタイミングで行うことが重要です。
4. 長時間の正座やあぐらをかく姿勢
膝に強い屈曲を強いる姿勢は、損傷部位にさらなるストレスをかけてしまいます。特に正座やあぐらは避けた方がよいでしょう。
5. 市販のサポーターに頼りすぎる
サポーターで一時的に安定感を得られることはありますが、根本的な治療ではありません。サポーターをつけて痛みが和らいだからといって無理に動かすと、症状が悪化するリスクもあります。
放置するとどうなる?
半月板損傷を放置すると、関節の動きが制限されるだけでなく、軟骨への負担が増し、変形性膝関節症へと進行することがあります。特に40代以降の方では、「ただの膝痛」と軽視して長期的な障害を抱えるケースも少なくありません。
早期の適切な診断と対応が、将来的な手術の回避にもつながります。
半月板損傷の治療と再生医療
半月板損傷の治療には、保存療法(安静、リハビリ、注射など)と手術療法(縫合術や部分切除)がありますが、当院のような再生医療専門クリニックでは、PRP(多血小板血漿)治療や脂肪由来幹細胞治療を取り入れています。
PRP治療
自分の血液から抽出した成分を患部に注入し、炎症を抑えて組織の修復を促進します。比較的軽度な損傷やスポーツ外傷に適しています。
幹細胞治療
脂肪組織から取り出した幹細胞を培養・注入することで、半月板や軟骨の再生をサポートします。中等度以上の損傷や変性を伴うケースにも対応できるのが特徴です。
いずれの治療も手術に比べて体への負担が少なく、日常生活を送りながら治療ができる点がメリットです。
日常生活で心がけたいポイント
- 階段では手すりを使って負荷を分散する
- 椅子に浅く腰かけない(膝を深く曲げすぎない)
- 長時間の立ち仕事や歩行はこまめに休憩を入れる
- 冷え対策をして関節の血流を保つ
こうした工夫で、半月板への負担を減らすことができます。
まとめ
半月板損傷を悪化させないためには、「やってはいけない行動」を知り、正しく対処することが大切です。痛みを無理に我慢せず、早めの診断・治療を心がけましょう。
当院では、手術を回避したい方や自然な回復を目指す方に向けて、再生医療を用いた新しい治療をご提案しています。膝の痛みや違和感が続く方は、ぜひ一度ご相談ください。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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