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スポーツ外傷膝 ゴルフ中のひざの痛みはなぜ起こる?原因とスイング時の注意点を解説

ゴルフは年齢を問わず楽しめるスポーツとして人気がありますが、ひざの痛みに悩まされているゴルファーも少なくありません。スイングの動作や長時間の歩行などが原因で、ひざ関節に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。本記事では、ゴルフ中のひざの痛みの原因と、スイング時に気をつけるべきポイント、そして再生医療など最新の治療法についても解説します。
ゴルフでひざを痛めやすい理由
ゴルフは一見すると軽い運動に見えるかもしれませんが、実際には関節や筋肉に大きな負荷がかかっています。特にスイング動作では、体幹をひねる動きと下半身の踏ん張りが求められ、ひざ関節に強いねじれや圧力が加わります。
また、フェアウェイを長時間歩くことで、ひざ軟骨に慢性的なストレスがかかります。加齢や変形性膝関節症のある方では、こうした負荷が痛みとして現れやすくなります。
ひざの痛みの主な原因とは?
ゴルフ中のひざの痛みの背景には、以下のような疾患や状態が関係していることがあります。
変形性膝関節症
中高年に多く見られる疾患で、加齢や使いすぎにより軟骨がすり減り、関節に炎症や痛みが生じます。特にスイング時の踏み込み動作で強い痛みを感じることがあります。
半月板損傷
ひざのクッションの役割を果たす半月板が損傷すると、体重がかかった時に鋭い痛みが出ることがあります。ねじる動作や屈伸の繰り返しによって悪化することがあります。
靭帯損傷や炎症
スイング時のねじれで靭帯が伸びたり、過度の使用で炎症を起こすと、運動中や運動後に痛みが現れます。特に内側側副靭帯や膝蓋腱に痛みを感じることがあります。
スイング時に注意すべきポイント
スイング中のひざの痛みを予防するためには、以下の点に注意することが重要です。
1. 下半身の安定を意識する
ひざの関節に不必要な負担をかけないよう、股関節や足首をうまく使って体重移動を行いましょう。体幹を使って回転し、ひざだけで支える動作は避けることが大切です。
2. オーバースイングを避ける
無理に飛距離を出そうとすると、過剰なひねりが加わり、ひざに負担が集中します。自分の体力に合ったスイングを心がけましょう。
3. ストレッチと筋力トレーニングを行う
運動前のストレッチや、太ももの筋力(特に大腿四頭筋)を鍛えることは、ひざの安定性を高め、負荷を分散する効果があります。
ひざの痛みに悩んだら再生医療という選択肢も
ひざの痛みが続く場合、注目されている治療法のひとつが「再生医療」です。PRP(多血小板血漿)治療や脂肪由来幹細胞治療など、ひざの組織を修復し、炎症を抑える効果が期待されています。
特に、再生医療は手術を避けたい方や、リハビリに時間をかけたくないゴルファーにとって魅力的な選択肢です。当院でも、多くの患者さまがこの治療でゴルフを再び楽しめるようになっています。
まとめ
ゴルフ中のひざの痛みは、スイング動作や長時間の歩行による関節への負荷が原因となることが多く、放置すると悪化することがあります。まずは正しいスイングフォームや予防トレーニングを心がけ、症状が出た際には早めの医療機関の受診をおすすめします。
再生医療などの最新の治療法を知ることで、ゴルフライフをより長く楽しむことができるかもしれません。
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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