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膝 ひざの痛みが取れないのはなぜ?原因と対処法を専門医が解説

この記事の内容
ひざの痛み、実は多くの人が悩んでいます
「朝起きたときにひざが痛い」「階段の上り下りがつらい」「歩きはじめがスムーズにいかない」——そんなひざの痛みを感じていませんか?
実は、ひざの痛みは40代以降から急増し、特に60代以上では多くの方が慢性的なひざのトラブルを抱えています。
一時的な痛みであれば自然に治まることもありますが、長く続く場合や悪化する場合は注意が必要です。本記事では、ひざの痛みの原因とその対処法について、専門医の視点からわかりやすく解説します。
ひざの痛みの主な原因
1. 変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)
もっとも多いのがこの病気です。ひざの関節にある軟骨がすり減ってしまい、関節が変形し、炎症や痛みを引き起こします。特に中高年の女性に多く、初期には違和感程度でも、進行すると強い痛みや歩行障害を伴います。
チェックポイント
- ひざの内側が痛む
- 朝よりも夕方に痛みが強くなる
- 正座や階段の昇降がつらい
2. 半月板損傷
スポーツや日常の動作でひざをひねったときなどに起こります。中高年では加齢によってもろくなった半月板が自然に損傷することもあります。ひざの中で引っかかり感や、動かすと「ゴリッ」と音がすることも。
3. 関節リウマチ
自己免疫の異常で関節に炎症が起こる病気です。朝のこわばりや左右両方の関節に痛みが出るのが特徴。進行すると関節が変形してしまうこともあるため、早期の診断と治療が重要です。
4. 筋力低下や姿勢の悪さ
特に大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)の筋力が落ちると、ひざの負担が増え痛みやすくなります。また、姿勢が悪いとひざに偏った力がかかり、痛みにつながります。
ひざの痛みへの正しい対処法
1. 無理せず医療機関へ相談
長引くひざの痛みは、自己判断せずに整形外科や専門クリニックを受診するのが安心です。レントゲンやMRIなどで正確な診断を受けましょう。
2. 体重コントロール
体重が1kg増えると、歩行時には3~5kgの負担がひざにかかると言われています。無理のない減量は、ひざの痛み軽減に非常に有効です。
3. 筋力トレーニングとストレッチ
・太ももを鍛える簡単な運動
イスに座って片足をまっすぐ前に伸ばす「膝伸ばし体操」はおすすめです。
・ストレッチ
太ももやふくらはぎの筋肉をゆっくり伸ばすことで血流が良くなり、関節の柔軟性もアップします。
4. サポーターや靴選びも効果的
ひざを支えるサポーターや、クッション性の高い靴も、痛みの緩和に役立ちます。日常の歩行時や外出時に取り入れてみてください。
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。
まとめ
ひざの痛みにはさまざまな原因がありますが、早めの対応が悪化を防ぐカギです。無理に我慢せず、正しい知識をもって対処していきましょう。
もし、「最近ひざが痛むけど、年のせいだと思っていた」という方がいれば、それはもしかしたら治療すべきサインかもしれません。あなたのひざは、まだまだ元気になれる可能性を秘めています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ひざの痛みが長引く場合、どんな原因が考えられますか?
A. 変形性膝関節症や半月板損傷、筋力低下、姿勢の悪さ、関節リウマチなどが原因となることがあります。整形外科での診断が大切です。
Q2. ひざの痛みを和らげるセルフケアには何がありますか?
A. 太ももの筋力トレーニングやストレッチ、体重管理、サポーターの使用、靴の見直しなどが効果的です。継続がポイントです。
Q3. 再生医療はどんな人におすすめですか?
A. 薬やリハビリで改善が乏しい変形性膝関節症の方、手術を避けたい方に適しています。PRP療法や幹細胞治療などが選択肢となります。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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