
コラム COLUMN
膝 天気で関節が痛むのはなぜ?気圧変化による影響と対策法

「雨の日になると膝が痛む」「台風が近づくと関節がズキズキする」——そんな経験はありませんか?
これは決して気のせいではなく、気圧や湿度の変化が関節の痛みに影響を与えている可能性があるのです。
この記事では、天気と関節痛の関係について、整形外科専門医の視点からわかりやすく解説し、つらい痛みへの対策法もご紹介します。
天気が関節に影響する理由
人の体は、外部環境の変化にとても敏感です。とくに関節のまわりには、関節包(かんせつほう)という袋状の組織があり、気圧の変化によってこの関節包にわずかな圧力変動が起こることが、痛みの原因と考えられています。
気圧が下がると、体の外の圧力が減るため、関節内部の圧力が相対的に高くなり、関節の中が膨張するような状態になります。この状態が、関節に違和感や痛みを引き起こす要因になります。
また、天候が悪くなると体が冷えやすくなり、血流が悪化することでも痛みが出やすくなります。
どんな人が天気痛を感じやすいのか?
以下のような方は、気圧変化による関節の痛みを感じやすい傾向があります。
- 変形性関節症を患っている方
- リウマチなどの炎症性関節疾患のある方
- 過去に関節をケガした経験がある方
- 女性や高齢者など、筋肉量や血流が少なめの方
- ストレスや自律神経の乱れがある方
また、気圧の変化を感知しやすい内耳(ないじ)の働きにも個人差があり、これが「天気痛体質」に関係しているという研究報告もあります。
痛みを軽減する対策法5選
では、天気による関節の痛みにはどのように対応すればよいのでしょうか?すぐに始められる対策を5つご紹介します。
1. 温めて血行を促す
冷えは関節痛の大敵です。ホットパックや湯たんぽ、入浴で患部を温めることで血流が良くなり、痛みがやわらぎます。
2. 軽いストレッチや体操を取り入れる
じっとしていると関節が固まりやすく、痛みも強くなります。無理のない範囲で関節を動かす体操やストレッチを行うことで、関節液の循環が良くなり、炎症も抑えられやすくなります。
3. 天気予報アプリで気圧の変化をチェック
最近では「天気痛予報」や「気圧予報」アプリも登場しています。事前に変化を知ることで、対策がしやすくなります。
4. サポーターなどで関節を保護
関節を適度に固定することで、負荷や冷えから守ることができます。市販のサポーターやテーピングをうまく活用しましょう。
5. 必要に応じて再生医療などの先進治療を検討
痛みが慢性的で、薬やリハビリでは十分に改善しない場合は、PRP療法や幹細胞治療といった再生医療も選択肢の一つです。炎症を抑えたり、関節機能を回復させたりする効果が期待できます。
いつ病院を受診すべき?
「天気のせい」と軽く考えてしまいがちですが、長期間続く痛みや、動かすたびに強くなる症状は放置すべきではありません。
特に以下のような場合は、整形外科を受診しましょう。
- 痛みが数日以上続いている
- 関節が腫れてきた
- 熱感や赤みがある
- 生活に支障をきたしている
早めに原因を明らかにし、適切な治療を行うことが将来の関節障害を防ぐカギになります。
まとめ
天気と関節痛には密接な関係があります。気圧の変化や冷えが関節に影響を与えることで、痛みを感じやすくなるのです。
日々のセルフケアに加え、必要に応じて専門的な治療も視野に入れて、つらい天気痛と上手に付き合っていきましょう。
もし、「最近、天気が悪いと膝が痛い」と感じる方は、当院までお気軽にご相談ください。専門的な再生医療を用いた治療もご提案可能です。
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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