
コラム COLUMN
膝 膝の痛みを和らげるには?温熱療法の効果と活用法

膝の痛みに悩んでいませんか?特に変形性膝関節症や加齢による関節のこわばりを感じている方にとって、日常生活の中で痛みをやわらげる方法を知ることはとても重要です。その一つとして注目されているのが「温熱療法(おんねつりょうほう)」です。
今回は、温熱療法がなぜ膝の痛みに有効なのか、どのような方法で取り入れればよいのかを詳しく解説します。
膝の痛みの原因とは?
膝の痛みの多くは、加齢や運動不足、または逆に過度な運動によって関節に負担がかかることが原因です。特に中高年に多いのが「変形性膝関節症」で、膝の軟骨がすり減って関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、動かしづらさが現れます。
膝の痛みには「急性期(炎症が強い時期)」と「慢性期(痛みが続いている時期)」があり、それぞれ適した対処法が異なります。温熱療法は主に慢性期の痛みに対して効果的です。
温熱療法とは?
温熱療法とは、身体の特定部位を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげたり、痛みを軽減したりする治療法です。医療現場ではもちろん、自宅でも取り入れやすい方法として注目されています。
具体的には、以下のような効果が期待できます。
- 血流改善により老廃物の排出を促進
- 筋肉のこわばりを緩める
- 関節の動きをスムーズにする
- 痛みを感じにくくする(鎮痛作用)
膝の痛みに温熱療法が効果的な理由
膝関節は血流が比較的少ない部位のため、冷えやすく、老廃物が溜まりやすい構造になっています。温めることで血流が良くなり、関節周囲の組織に酸素や栄養が届きやすくなるため、痛みの軽減につながります。
また、膝周囲の筋肉や腱も柔らかくなり、膝の動きがなめらかになることから、運動前の準備にも有効です。
自宅でできる温熱療法の方法
温熱療法は、自宅でも簡単に行えます。以下の方法を参考に、毎日のケアに取り入れてみましょう。
ホットパックや湯たんぽを使う
タオルでくるんだホットパックや湯たんぽを膝に当てることで、深部までじんわり温まります。1回につき15〜20分を目安に行いましょう。肌に直接当てないよう注意してください。
温かいお風呂にゆっくり浸かる
全身を温めることで、膝だけでなく全身の血流が促進されます。ぬるめ(38〜40度)のお湯に15分程度浸かるのが理想です。入浴後に軽く膝を動かすと、柔軟性の向上が期待できます。
温感湿布の活用
薬局などで手に入る「温感湿布」も便利です。ただし、かぶれやすい方はパッチテストをしてから使用してください。
温熱療法を行う際の注意点
温熱療法は便利ですが、すべての膝の痛みに有効というわけではありません。以下のようなケースでは、温めることが逆効果になる可能性もあるため注意が必要です。
- 膝が赤く腫れて熱を持っている(急性炎症)
- 打撲や捻挫の直後
- 発熱している時
- 血栓症の既往がある方
これらの症状がある場合は、まず医師に相談のうえ適切な処置を受けることが大切です。
より効果的に活用するためには
温熱療法は「一時的な痛みの軽減」には効果的ですが、根本的な関節の損傷を修復することはできません。ストレッチや筋力トレーニング、必要に応じて再生医療などの専門的な治療と併用することで、より良い結果が得られます。
当院でも、膝の痛みでお困りの方に対して、温熱療法の指導やPRP療法、幹細胞治療など再生医療を組み合わせたアプローチを行っています。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
まとめ
膝の痛みを和らげる方法として、温熱療法は非常に有効です。血流を改善し、筋肉や関節の柔軟性を高めることで、日常生活の動作も楽になります。ただし、痛みの種類によっては適さない場合もあるため、症状を見極めながら取り入れましょう。
「冷えやすい膝には温めるケアを」。簡単にできる温熱療法を、ぜひ毎日の習慣にしてみてください。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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