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階段で膝がカクカクするのはなぜ?原因と治療の必要性を専門医が解説

階段で膝がカクカクするのはなぜ?原因と治療の必要性を専門医が解説

「階段を降りるときに膝がカクっとして不安になる」「上り下りの途中で膝が抜けそうな感じがする」――そんな体験をされた方は少なくありません。特に50代以降になると、膝の違和感や不安定さを訴える患者さんが増えてきます。痛みがなくても「カクカクする」状態は放置していいのか、それとも治療が必要なのか、不安に思う方も多いでしょう。今回は整形外科専門医の立場から、この症状の原因と対応についてわかりやすく解説します。

膝がカクカクするのはどんなとき?

膝の「カクカク感」は階段の上り下りでよく起こります。特に体重がかかる「下り」で症状が出やすく、「踏ん張ろうとしたら力が抜ける」「ガクンと膝が外れるような感覚がある」といった声が多いです。

また、長時間歩いた後や正座から立ち上がるときに同じような不安定さを感じる方もいます。この段階では痛みがなくても、膝の関節や周囲の組織に負担がかかっているサインである可能性があります。

膝がカクカクする原因

膝のカクつきにはいくつかの原因が考えられます。代表的なものを整理すると以下の通りです。

1. 筋力の低下

太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は膝の安定に欠かせません。加齢や運動不足で筋力が低下すると、階段で体を支えきれず「カクカク」した動きが出やすくなります。

2. 半月板や靭帯のトラブル

膝関節の中にはクッションの役割を果たす「半月板」があります。これが傷ついたり変性したりすると、関節のかみ合わせが不安定になり、引っかかり感やガクッとした動きを感じることがあります。また、靭帯のゆるみや損傷も不安定さの原因になります。

3. 軟骨のすり減り(変形性膝関節症)

年齢とともに膝の軟骨がすり減ると、関節の動きがスムーズでなくなり、カクカクしたりギシギシ音が出たりします。初期は痛みが軽くても進行すると階段の上り下りが大きな負担になります。

4. 神経や感覚の異常

糖尿病や腰椎の神経障害などにより、膝まわりの感覚が鈍ると「自分の膝が思うように動かない」感覚につながることもあります。

治療と対策

膝のカクカク感に対する治療や予防法は、原因によって異なります。大切なのは「症状を放置しない」ことです。

1. 保存療法

まずは負担を減らすことが基本です。膝を冷やしたり、サポーターを活用したりして、関節を安定させましょう。消炎鎮痛薬や湿布が有効な場合もあります。

2. 筋力トレーニングとリハビリ

大腿四頭筋を中心とした下肢の筋力トレーニングが有効です。椅子に座った状態で足を伸ばす「レッグエクステンション」や、軽いスクワットが代表的です。専門家の指導のもとで行うとより効果的です。

3. 生活習慣の見直し

体重が増えると膝への負担は大きくなります。適正体重を維持することは最大の予防策です。また、階段を使うときは手すりを活用するなど、膝に無理をかけない工夫も大切です。

4. 医療機関での治療

症状が強い場合は整形外科での検査が必要です。X線やMRIで膝の状態を確認し、ヒアルロン酸注射やリハビリ治療を組み合わせることもあります。

よくある質問

Q:膝がカクカクするけど痛みがなければ放置してもいい?
A:痛みがなくても進行性の病気(変形性膝関節症など)が隠れていることがあります。早めに整形外科で診てもらうことをおすすめします。

Q:運動は控えたほうがいいですか?
A:痛みが強いときは安静が必要ですが、軽度であれば筋力トレーニングは有効です。無理のない範囲で続けることが予防につながります。

Q:手術が必要になることもありますか?
A:重度の半月板損傷や変形性膝関節症が進行した場合には手術が検討されます。ただし、多くの方は保存療法で改善します。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ:諦めずに改善を目指しましょう

階段で膝がカクカクするのは、年齢のせいだけではなく、関節や筋肉に何らかの問題があるサインです。放置すれば進行して日常生活に支障をきたす可能性がありますが、早めに対策すれば改善できることも多いです。「仕方ない」と諦めず、専門医に相談しながら前向きに取り組んでいきましょう。膝は一生を支える大切な関節。適切なケアで、安心して階段を上り下りできる生活を取り戻していただきたいと思います。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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