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FAQ膝 膝に体重をかけると痛い?よくある8つの質問に専門医がやさしく回答

歩くときや階段の上り下り、あるいは椅子から立ち上がる瞬間など、膝に体重をかけるたびに走る痛みは本当につらいものです。「このまま歩けなくなったらどうしよう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
膝に体重をかけたときの痛みは、関節からの大切なサインです。ここでは、日々の診察で患者様からよくいただく質問をもとに、原因や対処法、最新の治療の考え方について整形外科専門医が分かりやすく回答します。
この記事の内容
なぜ膝に体重をかけると痛むのですか?
多くの方が気になる点ですが、これは膝の軟骨がすり減ったり半月板が傷ついたりして、関節内の骨に過度な負担がかかっているサインです。体重をかけるたびに神経の集まる組織が圧迫されたり、摩擦で炎症が起きたりすることで痛みが生じます。階段や歩行時の痛みは、体が「これ以上負荷をかけないで」と出している警告かもしれません。放置せず、まずは原因を特定するために専門医に相談しましょう。
膝に体重をかけると痛いのは変形性膝関節症でしょうか?
50代以降で体重をかけた時に痛む場合、変形性膝関節症の可能性は高いと言えます。加齢や長年の負担により軟骨が徐々に薄くなり、関節内に炎症が起きることで痛みが出ます。初期は動き出しの痛みだけですが、進行すると立ち仕事や歩行が困難になることもあります。早期に発見して適切な対策を立てれば、進行を遅らせて快適な生活を維持することが可能です。諦める前に一度チェックを受けてみてください。
痛みがあっても歩く練習は続けたほうが良いですか?
非常に多くいただく質問ですが、激痛がある時に無理をして歩くのは避けるべきです。一方で、全く動かないのも筋力低下を招き逆効果になります。痛みの出ない範囲での散歩や、膝への負担が少ない水中ウォーキングなどを推奨します。大切なのは痛みを我慢して根性で歩くのではなく、膝を支える筋肉を安全に鍛えることです。個々の状態に合わせた適切な運動メニューを専門家と相談して決めましょう。
家ですぐに実践できる膝の痛み対策はありますか?
まずは膝への物理的な負担を減らす工夫をしましょう。クッション性の高い靴を履く、サポーターで膝を安定させる、階段ではなくエレベーターを使うなどが有効です。また、椅子に座って膝を伸ばす運動などで太ももの筋肉を刺激するのも効果的です。痛みがある部分が熱を持っているなら冷やし、重だるいだけなら温めて血行を良くするのも良いでしょう。多くの方がこれらの工夫で症状を和らげています。

どのような症状があればすぐに病院に行くべきですか?
体重をかけた時にズキッと鋭い痛みが走る場合や、膝が腫れてお皿の周りがブヨブヨしている場合は早めの受診をお勧めします。これらは関節内で強い炎症が起きていたり、半月板などが損傷していたりするサインです。痛みで夜起きてしまう、または膝が真っ直ぐ伸びないといった症状がある場合も放置は禁物です。整形外科専門医の診察を受けることが、将来の自由な歩行を守ることにつながります。
手術以外で体重をかけた時の痛みを止める方法はありますか?
リハビリや薬物療法のほかに、現在は「再生医療」という新しい選択肢もあります。これはご自身の細胞や血小板の力を利用して、関節内の炎症を鎮め組織の修復を促す治療法です。多くの方が手術を避けたいと希望されますが、再生医療は入院の必要がなく日帰りでの処置が可能です。従来のヒアルロン酸注射などでは効果が不十分だった方にとっても、痛みを根本から和らげる有力な手段となります。
減量すると膝の痛みは本当に楽になりますか?
はい、体重管理は非常に効果的な治療の一つです。歩行時には体重の約3倍、階段では5倍以上の負荷が膝にかかります。わずか1から2キロの減量でも、膝にとっては数キロ分の負担軽減となり、体重をかけた時の痛みが劇的に改善することも少なくありません。急激なダイエットは必要ありませんが、食事の工夫と膝に優しい運動を組み合わせることで、関節の寿命を延ばすことができます。
体重をかけると痛い時期にスクワットをしても大丈夫?
膝が深く曲がった状態で体重がかかるスクワットや正座は、今の状態では関節への負担が大きすぎる可能性があります。多くの方が「鍛えなきゃ」と無理をされますが、痛みがある時期は避けるのが賢明です。まずは椅子に座ったまま足を上げる運動など、膝への圧力が少ない方法で筋力を維持しましょう。状態が改善すれば徐々に再開できますので、焦らずにまずは炎症を落ち着かせることが優先です。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

膝の痛みは、適切なケアと治療で改善できる可能性が十分にあります。「年だから仕方ない」と諦める必要はありません。
痛みと向き合い、正しい知識を持って対策を始めることが、いつまでも自分の足で元気に歩き続けるための第一歩です。日々の生活の中で不安なことや、今の治療でなかなか効果が出ないと感じていることがあれば、いつでも私たち専門スタッフにご相談ください。一人ひとりの状態に合わせた最適な解決策を一緒に見つけていきましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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