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膝 膝の痛みで手術したくない人へ|見直すべき5つの選択肢を整形外科専門医が解説

「歩き始めの一歩目が痛い」「階段を下りるときに膝が怖い」「手術を勧められたけれど、できれば避けたい」。診察室では、このようなご相談をよく受けます。
膝の痛みが続くと、外出や旅行を控えるようになり、「このまま歩けなくなるのでは」と不安になる方も少なくありません。一方で、膝の痛みがあるからといって、すぐに手術が必要になるとは限りません。痛みの原因や関節の状態、生活への影響を確認したうえで、手術以外の方法を見直せる場合があります。
この記事では、膝の痛みで手術したくない方に向けて、考えられる原因、自宅での対策、整形外科で行う保存療法、受診の目安をわかりやすく解説します。
膝の痛みでよくある困りごと
歩き始めや階段で痛みが出やすい
膝の痛みは、長く座ったあとに立ち上がるとき、朝の歩き始め、階段を下りるときなどに出やすい傾向があります。特に階段では、平らな道を歩くよりも膝に大きな負担がかかります。
「最初だけ痛いが、少し歩くと楽になる」「下りだけつらい」「正座できない」といった訴えもよくあります。痛みの出方は、関節の状態だけでなく、太ももの筋力、歩き方、体重、靴などによっても変わります。
痛みをかばうことで生活範囲が狭くなる
膝が痛いと、無意識に歩く量が減り、外出や運動を避けるようになります。しかし、動かない期間が長くなると、太ももの筋肉が落ち、関節を支える力も弱くなります。その結果、さらに膝に負担が集中しやすくなることがあります。
「年齢のせいだから仕方ない」と我慢するよりも、痛みの原因を整理し、今の状態に合った対策を早めに始めることが大切です。
膝の痛みで手術したくない方が知っておきたい原因
変形性膝関節症による関節への負担
中高年の慢性的な膝の痛みで多いのが、変形性膝関節症です。これは、膝関節の軟骨が少しずつすり減ったり、関節の形が変化したりすることで、痛みや動かしにくさが出る状態です。
ただし、レントゲンで変形があることと、痛みの強さは必ずしも一致しません。変形があっても比較的よく歩ける方もいれば、変形が軽くても筋力低下や炎症のために痛みが強い方もいます。
筋力低下や歩き方も痛みに関係する
膝の関節は、骨や軟骨だけで支えられているわけではありません。太ももの前側やお尻まわりの筋肉が、歩くときの衝撃を和らげています。
筋力が落ちると、膝への負担が増え、歩くと痛い、立ち上がりにくい、階段で痛いといった症状につながることがあります。また、足に合わない靴、強い内股やがに股、急な運動量の増加も、膝の痛みを悪化させる要因になります。
早めに受診したい症状
急に強い痛みが出た、膝が大きく腫れた、赤く熱をもっている、体重をかけられない、膝が引っかかって動かないといった場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
痛みが2週間以上続く場合や、夜間の痛みで眠れない場合も、単なる使いすぎと決めつけず、原因を確認することが大切です。
手術を避けるために見直したい5つの選択肢
痛みが強い時期は負担を減らす
痛みが強いときは、無理に歩数を増やしたり、深くしゃがんだりする必要はありません。長時間の立ち仕事、階段の往復、重い荷物を持つ動作などは、一時的に控えるほうがよいことがあります。
ただし、まったく動かさない状態が続くと筋力が低下しやすくなります。痛みが落ち着いている範囲で、短時間の歩行や軽い体操を続けることが基本です。
太ももとお尻の筋肉を無理なく鍛える
膝を支える筋肉を保つことは、手術回避を考えるうえで大切な選択肢の一つです。椅子に座ったまま膝をゆっくり伸ばす運動や、仰向けで片脚を少し持ち上げる運動は、比較的取り組みやすい方法です。
痛みが増えるほど頑張る必要はありません。翌日まで痛みが強く残る場合は回数を減らし、運動内容を整形外科やリハビリスタッフに相談しましょう。
体重、靴、歩き方を見直す
体重が増えると、歩行や階段で膝にかかる負担も増えます。急な減量ではなく、食事と軽い運動を続けながら、無理のない範囲で体重管理を行うことが現実的です。
靴は、かかとが安定し、底が極端にすり減っていないものを選びます。痛みをかばって片側に体重を乗せ続けると、腰や股関節にも負担が広がることがあります。
整形外科で行われる保存療法
保存療法とは何か
保存療法とは、手術を行わずに、痛みを和らげ、歩きやすさや生活のしやすさを保つことを目指す治療です。膝の状態や生活背景に合わせて、運動療法、薬、装具、リハビリなどを組み合わせます。
「手術をしない」と決めて我慢を続けるのではなく、現在の痛みや関節の状態に合った方法を選ぶことが重要です。
薬、湿布、装具、リハビリの役割
痛み止めや湿布は、痛みが強い時期の負担を軽くするために使われます。装具は、膝のぐらつきや片側への負担を抑える目的で用いられることがあります。
リハビリでは、関節の動きを保ちながら、膝を支える筋肉を安全に鍛える方法を確認します。自己流の筋トレで痛みを悪化させることもあるため、症状が続く場合は専門家の助言を受けると安心です。
ヒアルロン酸注射の限界と注意点
ヒアルロン酸注射は、一時的に痛みが楽になることがあります。特に、関節内の炎症や動かしたときの痛みが強い場合には、症状を和らげる目的で行われることがあります。
ただし、何度も続けても、軟骨や関節そのものを元通りにする治療ではありません。効果を実感しにくいまま注射だけを続けるのではなく、痛みの原因、運動療法、生活習慣、今後の治療方針を一度見直すことが大切です。

よくある質問
Q1. 痛みがあるときは動かさない方がいいですか?
A. 痛みが強い時期は無理を避ける必要がありますが、まったく動かさない状態が続くと筋力が落ち、かえって痛みが長引くことがあります。状態に合わせた軽い運動やストレッチが大切です。
Q2. 年齢のせいなら治療しても意味がありませんか?
A. 年齢による変化はありますが、痛みの原因は筋力低下、体重、歩き方、炎症、関節への負担などさまざまです。原因に合わせて対策すれば、痛みの軽減や歩きやすさの改善を目指せる場合があります。
Q3. どのタイミングで整形外科を受診すればよいですか?
A. 痛みが2週間以上続く、階段や歩行に支障がある、腫れや熱感がある、急に強い痛みが出た、夜間も痛む場合は、早めに整形外科で相談しましょう。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ
膝の痛みがあると、「手術しかないのでは」と不安になるかもしれません。しかし、変形性膝関節症を含む膝の痛みでは、痛みの原因や生活への影響を整理し、保存療法や生活習慣の見直しによって、歩きやすさを保てる場合があります。
痛みが強いときは負担を減らし、落ち着いてきたら、無理のないストレッチや筋トレで膝を支える力を保ちましょう。ヒアルロン酸注射を受けていても改善を感じにくい場合は、注射だけに頼らず、治療全体を見直すことが大切です。
年齢のせいと諦めず、痛みが続く、歩行や階段に支障がある、腫れや熱感があるといった場合は、整形外科で早めに相談してください。今の膝の状態を知ることが、手術を避けるための第一歩になることがあります。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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