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膝 座った後に膝がこわばる|立ち上がりで動かしにくい原因と対処法

座った後に膝がこわばるのは、動かしていなかった膝を再び動かすときに、関節や周囲の組織の動かしにくさが表れるためです。背景には、変形性膝関節症に伴う炎症や腫れ、筋肉の柔軟性低下などがあります。半月板の損傷が関係する場合もあり、症状だけでは診断できません。まずは立つ前に、痛みのない範囲で膝を軽く曲げ伸ばししましょう。繰り返す、腫れる、歩きにくい場合は整形外科へ。急に膝が伸びなくなった場合や、強い腫れ・熱感がある場合は、当日中を目安に相談してください。
この記事の内容
長く座ると膝が固まる感じがするのはなぜ?
膝のこわばりとは、関節が硬く感じられ、曲げ伸ばしを滑らかにできない症状です。痛みがある場合も、動かしにくさだけの場合もあります。
長時間座るなど、しばらく動かさなかった後にこわばり、動き始めると少しずつ和らぐことがあります。動き始めに痛みも出る場合、その痛みを「始動時痛」と呼びます。
膝に炎症や腫れがあると、関節を動かしにくくなります。関節を包む組織の硬さや、膝周囲の筋肉の柔軟性・筋力も影響します。膝のこわばりは、「血行が悪い」「関節液が足りない」という一つの理由だけでは説明できません。日本整形外科学会「変形性関節症」
少し歩くと楽になるなら、放置しても大丈夫?
動くと和らぐことは、症状を判断する手がかりになります。ただし、それだけで病気がないとはいえません。
変形性膝関節症では、初期から立ち上がりや歩き始めに症状が出る場合があります。毎回繰り返す、以前より治まりにくい、階段でも痛むときは、原因を確認しましょう。日本整形外科学会「変形性膝関節症」
一時的なこわばりと「膝が伸びない状態」を区別しましょう
動き始めだけ硬い感じがする場合と、膝が実際に伸びなくなる場合では、必要な対応が異なります。「固まる」という感覚を、もう少し具体的に整理すると受診時にも役立ちます。
| 状態 | 症状の例 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 一時的なこわばり | 座った後の数歩がぎこちないが、その後は普段のように動かせる | 軽く動かし、繰り返す場合は受診 |
| 痛みや腫れによる動かしにくさ | 膝が張る、痛くて伸ばしにくい | 腫れや痛みの程度に応じて受診 |
| ロッキング | 急に膝が引っかかり、途中から伸びなくなった | 無理に動かさず、当日中を目安に相談 |
| 持続する動きの制限 | 座った後に限らず、いつも膝が伸び切らない | 関節の硬さや変形などを診察で確認 |
ロッキングは、傷んだ半月板などが関節に挟まって起こることがあります。強く伸ばす、ひねる、家族に押してもらうといった方法で戻そうとしないでください。日本スポーツ整形外科学会「半月板損傷」
座った後に膝がこわばる主な原因
代表的な原因は、変形性膝関節症、関節内の腫れ、半月板損傷などです。膝の前側が痛む場合や、ほかの関節にも症状がある場合は、違う病態も検討します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、軟骨や半月板などの変化に、炎症や骨の変化が加わる病気です。立ち上がり・歩き始めの痛みや、膝の腫れ、曲げ伸ばしにくさがみられます。
中高年に多くなりますが、年齢だけで診断するものではありません。以前のけが、体重、仕事内容や活動量なども確認します。
膝に水がたまる・関節内が腫れる
関節内に炎症が起こって関節液が増えると、膝全体が張り、曲げ伸ばしにくくなる場合があります。
「膝に水がたまる」は状態の説明であり、原因となる病名ではありません。変形性膝関節症や半月板損傷など、背景にある問題を確認することが大切です。
半月板損傷
半月板は膝にかかる荷重を分散する組織です。けがだけでなく、加齢に伴う変化によって傷むこともあります。
曲げ伸ばしやひねる動作で痛む、引っかかる、腫れるといった症状が手がかりです。ただし、画像で半月板損傷が見つかっても、症状がほとんどない人もいます。横浜南共済病院「半月板損傷について」
膝のお皿まわりの問題
座って膝を曲げている間から前側が痛む場合は、お皿と太ももの骨の間の関節である「膝蓋大腿関節」の問題も検討します。
「座った後にだけ硬い」のか、「座っている最中からお皿まわりが痛い」のかは、医師に伝えたい違いです。階段やしゃがみ動作でも前側が痛むかを確認します。ひざ関節症クリニック「椅子に座っていると膝が痛くなる原因は何?」
関節リウマチなど
朝のこわばりが長く続き、手指や手首にも腫れがある場合は、関節リウマチなどの炎症性の病気も考えます。
ただし、**「両膝だからリウマチ」「短時間で治るから変形性膝関節症」とは判断できません。**膝以外の症状も含めて診察することが大切です。日本整形外科学会「関節リウマチ」
立ち上がる前と、座っている間にできる対処法
強い痛みや腫れ、ロッキングがない場合は、立つ前に軽く膝を動かし、座る環境も調整しましょう。いきなり体重をかけたり、痛みを我慢して深く曲げたりする必要はありません。
立つ前に、椅子で膝を軽く曲げ伸ばしする
安定した椅子に座り、次の順序で試してください。
- 足裏を床につけたまま、片足をゆっくり前後に滑らせます。
- 痛みがなければ、片脚ずつ軽く膝を伸ばして戻します。
- 少ない回数から始め、動かした後に痛みが増えていないか確認します。
- 肘掛けなどの支えを使って立ち、膝に力が入ることを確かめて歩きます。
膝を完全に伸ばし切ることより、無理なく動かすことを優先します。鋭い痛みや引っかかりが出たら中止してください。
低いソファや、深く曲げ続ける座り方を見直す
座面が低く沈み込む椅子では、立つときに膝を深く曲げた位置から体を持ち上げる必要があります。立ちにくい場合は、次の条件を目安に椅子を選びましょう。
- 足裏が床について安定する
- 膝を深く曲げすぎずに座れる
- 座面が沈み込みすぎない
- 立つときに使える肘掛けがある
座っている間は背もたれを使って安定した姿勢をとり、立つ直前に安全な範囲で腰を前へ移します。キャスター付きの椅子や動きやすい家具は、立ち上がりの支えにしないでください。
同じ姿勢を長く続けず、膝を動かす機会をつくる
テレビ番組の切れ目や仕事の区切りなどに、姿勢を変えたり、短く歩いたりしましょう。立てない場面では、座ったまま足の位置を変え、可能な範囲で膝を動かします。
車での移動では安全な場所に停車してから行ってください。運転中の体操は避け、膝の動きにくさがペダル操作に影響する場合は運転を控えましょう。
温める・冷やすは、腫れと熱感で使い分ける
腫れや熱感がなく、温めると楽になる場合は、入浴などで穏やかに温める方法があります。低温やけどを防ぐため、温熱用品を当てたまま眠ることは避けてください。
運動後に熱っぽくなった場合は、布で包んだ保冷剤を短時間当てると楽になることがあります。ただし、急な強い腫れや赤みを、冷やすだけで様子見しないでください。
こわばりがあるとき、運動は続けてよい?
軽いこわばりだけであれば、無理のない運動を続けられる場合があります。変形性膝関節症では、膝の動きを保つ練習や筋力訓練などが治療の基本になります。日本整形外科学会「変形性膝関節症」
「動くと楽になる」からといって、急に長距離を歩いたり、深いスクワットを繰り返したりしないことが大切です。次のように運動量を調整しましょう。
| 運動後の状態 | 調整の考え方 |
|---|---|
| 痛み・腫れが増えず、普段どおりに歩ける | 無理のない範囲で継続 |
| 当日夜や翌日に痛み・腫れが増える | 回数や時間、負荷を減らす |
| 鋭い痛み、引っかかり、膝崩れが出る | 中止して相談 |
| 急に強く腫れる、体重をかけられない | 運動を控え、早めに受診 |
肥満がある方では体重管理も役立ちます。ただし、食事を急に減らして筋力を落とさないよう、体力や栄養状態に合わせて進めます。
整形外科を受診する目安
受診の必要性は、こわばる時間だけでなく、腫れ、痛み、動きの制限、生活への影響で判断します。強い症状がある場合は、「しばらく続いてから」と待つ必要はありません。
当日中を目安に相談したい場合
- 急に膝が伸びなくなった
- 急に強く腫れ、赤みや熱感、強い痛みがある
- 発熱と膝の腫れ・痛みがある
- けがの後から体重をかけられない
急な関節炎では、細菌感染による化膿性関節炎などを除外する必要があります。発熱がなくても、強い腫れや熱感があれば受診してください。むつみクリニック「感染性膝関節炎・化膿性膝関節炎」
通常の診療で相談したい場合
- 座るたびにこわばり、改善しない
- 以前よりこわばりが長く続く
- 腫れを繰り返す、膝が伸び切らない
- 階段や買い物、仕事に支障がある
- 夜間や安静時にも痛む
- 手指など、ほかの関節にも腫れやこわばりがある
受診時には、**「座っていた時間」「こわばりが続く時間」「痛む場所」「腫れの有無」**を伝えると役立ちます。症状を確かめるために、膝を強くひねる必要はありません。
整形外科では何を検査する?
まず診察で、膝の腫れ、伸ばせる範囲、痛む場所、立ち上がりや歩行の様子を確認します。そのうえで、原因を確かめるために必要な検査を選びます。
| 検査 | 主に分かること |
|---|---|
| レントゲン | 骨の変形や関節のすき間。必要に応じて立った状態で評価する |
| MRI | 半月板、軟骨、靱帯、骨の内部などの変化 |
| 超音波(エコー) | 関節液、滑膜の腫れ、膝周囲の腱など |
| 血液・関節液検査 | 感染や、ほかの関節炎が疑われる場合の原因の確認 |
検査ごとに得意な対象が異なります。こわばりがある全員にMRIを行うのではなく、診察やレントゲンで症状を説明しにくい場合などに追加を検討します。岡山済生会「変形性膝関節症の診断と治療法は?手術は必要?」
画像の変形と、症状の強さは同じではありません
画像に変化があっても症状が軽い場合があり、反対に、目立つ変形がなくても痛みや動かしにくさが強い場合があります。
診療では、画像の異常が症状の出る場所や動作と一致するかを確認します。治療の目標も「画像をどうするか」だけではなく、「椅子から立てるか」「買い物に行けるか」など、本人の困りごとに合わせます。
治療方法と、手術が必要になる場合
治療は原因に応じて選びます。変形性膝関節症などでは、運動療法、生活動作の調整、必要に応じた薬や装具を組み合わせる保存療法が基本です。
手術以外の治療
太ももの筋力や膝の動きを保つ練習に加え、歩行時の負担が大きければ杖や装具を検討します。痛み止めは、胃腸・腎臓・心臓などの病気や併用薬を踏まえて選びます。
変形性膝関節症では、ヒアルロン酸注射を用いる場合があります。炎症が強いときは、感染がないことを確認してステロイド注射を検討することもあります。
注射は症状の軽減を目的とし、すり減った軟骨が元に戻ることを保証するものではありません。注射後の痛み、まれな感染、ステロイドによる一時的な血糖上昇などに注意し、効果を確かめながら選択します。日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」
手術を考えるタイミング
**座った後にこわばるだけで、手術が必要になるわけではありません。**半月板損傷も、画像に傷があるという理由だけで手術を決めません。
一方、保存療法を行っても痛みや歩行障害が強く、生活に大きな支障が続く場合には、骨切り術や人工膝関節置換術などが選択肢になります。日本整形外科学会「変形性膝関節症」
半月板などが挟まって膝が動かない場合は、早い段階で手術の必要性を判断することがあります。年齢だけでなく、活動量、仕事内容、これまでの治療、本人の希望を踏まえて相談します。日本スポーツ整形外科学会「半月板損傷」
再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

よくある質問
痛くないのに、座った後だけ膝がこわばります。病院へ行くべきですか?
すぐ治まり、腫れや生活の支障がなければ、姿勢を変えながら経過をみられる場合があります。ただし、繰り返す、膝が伸びにくい状態が残る、徐々に悪化する場合は、痛みがなくても整形外科で相談してください。
両膝がこわばるのは、関節リウマチですか?
両膝のこわばりだけでは、関節リウマチとは判断できません。変形性膝関節症でも両側に症状が出ます。手指や手首の腫れ、長く続く朝のこわばりがある場合は、その症状も医師へ伝えてください。
膝が固まる感じを取るために、正座でストレッチしてよいですか?
正座で無理にほぐすことは勧められません。深く曲げることで痛みや引っかかりが増す場合があります。まずは椅子に座ったまま、痛みのない範囲で軽く曲げ伸ばししましょう。
サポーターをつければ、座った後のこわばりを防げますか?
支えや保温によって楽になる場合はありますが、原因そのものが解消するとは限りません。膝を曲げたときの締めつけ、しびれ、足先の冷たさがあれば外し、サイズや使い方を確認してください。
まとめ
座った後の膝のこわばりは、動くと和らぐか、腫れがあるか、実際に伸びなくなるかを分けて考えることが大切です。
- 変形性膝関節症や関節の腫れ、半月板損傷などが関係する場合があります。
- 立つ前に軽く膝を動かし、椅子の高さや座りっぱなしの時間を見直しましょう。
- 急に伸びない、強く腫れる、熱を持つ場合は早めの受診が必要です。
- 治療は画像だけで決めず、生活への影響や活動量、本人の希望も踏まえて選びます。
症状が続く場合は整形外科で原因を確認しましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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