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股関節 股関節が鳴るのは弾発股かも?原因と対処法を専門医がわかりやすく解説

この記事の内容
弾発股とは
股関節がゴリゴリと音を立てる現象は、一般に「弾発股」と呼ばれています。この状態は、股関節を動かす際に不快な違和感や音がすることが特徴です。弾発股は、骨盤の歪みや体のバランスの崩れが原因で、筋肉が硬くなることによって引き起こされることが多いです。痛みは初期にはほとんど感じられないことが多いですが、放置しておくと骨と腱の摩擦によって炎症を引き起こし、痛みを伴うようになることがあります。

弾発股の原因
弾発股の原因には主に4つあります。1つ目は股関節の使い過ぎであり、特に激しいスポーツを日常的に行っている人がリスクを抱えています。2つ目は股関節周辺の筋力の低下で、特に年齢を重ねることによって筋肉量が減少し、股関節に負担がかかりやすくなります。3つ目は骨盤の歪みや姿勢の悪さで、これらは日常生活の中のクセや悪い姿勢によって引き起こされます。最後に、股関節そのものの変形も原因となることがあります。
弾発股の対処法
股関節に違和感や痛みがある場合は、早めに対処することが大切です。まずは安静にして十分に休息を取り、必要に応じて病院を受診することも重要です。また、ストレッチを行って骨盤や股関節周辺の筋肉をほぐし、筋力を鍛えることで症状の予防や改善に効果があります。股関節内側ストレッチ、膝抱えストレッチ、大殿筋ストレッチ、開脚ストレッチなどが推奨されています。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 股関節がポキポキ鳴るのは病気ですか?
A. 股関節が鳴る音は「弾発股」と呼ばれることがあり、多くは無害ですが、繰り返す音や痛みを伴う場合は注意が必要です。炎症や関節の不調が原因のこともあるため、気になる場合は医療機関で相談しましょう。
Q2. 弾発股は放っておいても大丈夫?
A. 痛みがなければすぐに治療が必要なわけではありませんが、放置すると炎症や痛みに発展することがあります。違和感が続く場合は、早めのストレッチや筋力トレーニング、必要に応じた医療機関の受診がおすすめです。
Q3. 弾発股を改善するにはどんな運動がいいですか?
A. 股関節周囲のストレッチ(股関節内転筋、大殿筋、腸腰筋など)や体幹を支える筋トレが効果的です。ただし、無理な運動は逆効果になることもあるため、痛みがある場合は専門家に相談しながら行いましょう。
まとめ
股関節がゴリゴリする症状は、放置すると痛みが強くなる可能性があるため注意が必要です。原因は多岐にわたりますが、適切なケアと予防策を講じることで、日常生活に支障をきたすことなく健康な状態を維持することが可能です。安静にして休息を取ること、適切なストレッチや筋トレを行うこと、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることが、股関節の健康を守る上で重要です。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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