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肩 肩腱板損傷にサポーターは効果があるのか?
肩腱板損傷は、肩の痛みや腕の動かしづらさを引き起こす一般的な肩のケガの一つです。日常生活や仕事に支障をきたす場合が多く、治療法やサポート方法に関心を持つ方が多いでしょう。この記事では、「肩腱板損傷にサポーターは効果があるのか?」について、わかりやすく解説します。
肩腱板損傷とは?
肩腱板損傷とは、肩を支える筋肉と腱で構成される「腱板」が何らかの理由で損傷することです。腱板は、肩甲骨と上腕骨を結びつけ、肩の安定性と可動域を保つ重要な役割を担っています。腱板損傷が発生すると、肩を挙げたり回したりする際に痛みが生じ、腕が思うように動かなくなります。
腱板損傷の主な原因は以下の通りです。
- 外傷:転倒や事故などで強い衝撃が肩に加わることで損傷が発生します。
- 加齢や使いすぎ:日常の繰り返し動作やスポーツ、重労働などで腱板が摩耗し、損傷が生じることがあります。
- 変性断裂:年齢とともに組織が弱くなり、自然に断裂することもあります。
サポーターの役割と効果
肩腱板損傷で痛みや腕の動きに制限を感じる場合、サポーターを使ってみようと考える方も多いかもしれません。では、実際にサポーターは効果があるのでしょうか?
サポーターによる痛みの緩和
サポーターは、肩を固定することで、損傷部にかかる負担を軽減し、痛みを和らげる効果が期待できます。日常生活や仕事でどうしても肩を使わなければならない場合、サポーターを使うことで痛みを少しでも軽減し、動きをサポートすることができるでしょう。
動きすぎの抑制
肩の動きを制限することで、無理な動作を抑え、腱板にさらなる負荷をかけないようにする効果もあります。これにより、損傷部分が安定し、炎症が悪化するリスクを軽減することができます。
治療ではないが一時的なサポート
一方で、サポーターを使ったからといって腱板損傷が治るわけではありません。サポーターは一時的に症状を和らげるためのサポート役に過ぎず、根本的な治療を行わなければ完全に回復することは難しいです。これは、肩腱板損傷が「炎症」や「断裂」など、組織の損傷によって生じるものであり、サポーターではそれを直接治すことができないためです。
サポーターの使い方に注意が必要
サポーターを使用する際には、以下の点に注意が必要です。
常時使用は避けるべき
サポーターを常に装着していると、肩の周りの筋肉や関節が硬くなり、筋力低下が起こる可能性があります。肩の動きを完全に制限してしまうと、周囲の筋肉が使われずに弱くなり、結果的に肩腱板への負担が増して症状が悪化することも考えられます。サポーターは、補助的な役割として一時的に使用し、必要がなくなったら外すことが重要です。
リハビリとの併用
サポーターを使う場合でも、適切なリハビリテーションを並行して行うことが重要です。リハビリでは、肩の筋肉を強化し、可動域を改善するためのエクササイズが行われます。これにより、肩の機能を回復させ、サポーターなしでも日常生活が送れるようになることが期待できます。
肩腱板損傷の治療法
肩腱板損傷の治療は、サポーターだけでなく、他の治療法も検討されます。損傷の程度や症状の重さによって治療方法は異なりますが、以下が一般的な治療法です。
保存療法
- 安静:損傷が軽度の場合、肩を安静に保つことが重要です。
- 消炎鎮痛薬や湿布:痛みや炎症を抑えるために使用されます。
- ステロイド注射:炎症を抑えるために一時的な効果が期待されますが、長期使用は避けるべきです。
リハビリテーション
筋力トレーニングやストレッチを通じて、肩の機能を回復させます。腱板周辺の筋肉を強化することで、肩にかかる負担を軽減し、再発防止に役立ちます。
手術
保存療法で改善しない場合や、外傷による重度の腱板断裂がある場合には、手術が必要となることもあります。手術後はリハビリを行い、肩の機能を回復させることが重要です。
サポーター以外にできること
サポーター以外にも、肩腱板損傷の予防や再発防止のためにできることがあります。
適切な姿勢と動作
肩を酷使する動作や姿勢を見直すことが、腱板への負担を減らすために有効です。特に重いものを持ち上げる際や、長時間同じ姿勢をとる作業では注意が必要です。
筋力強化
肩周りの筋肉を強化するエクササイズを定期的に行うことは、腱板への負担を軽減し、損傷の予防に繋がります。特に、肩甲骨や胸郭の筋肉を鍛えることが重要です。
まとめ
肩腱板損傷にサポーターを使うことは、一時的な痛みの緩和や動作の補助には役立ちますが、根本的な治療にはなりません。サポーターの使用は補助的な手段として、必要な時だけ使用することが推奨されます。また、適切なリハビリや治療と併用し、肩の機能をしっかりと回復させることが重要です。肩に違和感や痛みを感じた場合は、専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
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