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膝 ゴルフのラウンド後に膝がズキズキする理由と予防策を整形外科専門医が解説

「ゴルフの最中は何とか回れたのに、帰宅してから膝がズキズキする」「翌朝、階段を下りると膝の内側が痛い」「以前よりラウンド後の疲れが抜けにくくなった」。診療の場でも、50代以降の方からこのような相談を受けることがあります。
ゴルフは激しいスポーツに見えないかもしれません。しかし、実際には長い距離を歩き、傾斜のある場所で踏ん張り、スイングでは膝をひねる動きも加わります。そのため、もともと膝に不安がある方や、筋力が落ちてきた方では、ラウンド後に膝の痛みが出ることがあります。
この記事では、ゴルフのラウンド後に膝がズキズキする理由、注意したい症状、自宅でできる予防策、整形外科で行われる治療について、一般の方にもわかりやすく解説します。
症状の特徴とよくある困りごと
どんな場面で痛みや違和感が出やすいか
ゴルフ後の膝の痛みは、ラウンド中よりも、終わった後や翌日に強く感じることがあります。特に多いのは、膝の内側がズキズキする、階段を下りると痛い、立ち上がりで膝がこわばる、正座がしにくいといった症状です。
ラウンド中は気分も集中しており、多少の違和感に気づきにくいことがあります。しかし、帰宅後に体が冷えたり、長時間座った後に立ち上がったりすると、関節の痛みやこわばりがはっきりしてくることがあります。
また、カートを使っていても、ゴルフ場では意外に歩数が増えます。坂道、ラフ、バンカー、傾いた地面など、普段の平らな道とは違う環境で歩くため、膝には思った以上の負担がかかります。
放置すると生活にどんな影響が出るか
ラウンド後の膝の痛みが数日で落ち着く場合は、使いすぎによる一時的な炎症のこともあります。ただし、毎回のように痛みが出る、痛みが長引く、階段や歩行に支障が出ている場合は注意が必要です。
痛みをかばって歩くと、反対側の膝や股関節、腰にも負担がかかります。最初は「ゴルフの後だけ痛い」だったものが、次第に買い物、散歩、階段、旅行などの日常生活にも影響することがあります。
「年齢のせいだから仕方ない」と我慢し続けると、筋力が落ち、さらに膝が不安定になることもあります。早めに原因を知り、膝に合った対策を始めることが大切です。
考えられる原因をわかりやすく解説
関節や筋肉に起きている変化
ゴルフのラウンド後に膝がズキズキする原因として多いのは、膝関節への負担の蓄積です。膝関節は、太ももの骨、すねの骨、お皿の骨でできており、その間に軟骨や半月板があります。半月板とは、膝の中でクッションの役割をする組織です。
年齢とともに軟骨や半月板は少しずつ傷みやすくなります。そこに長時間の歩行、傾斜での踏ん張り、スイング時のひねりが加わると、膝の内側やお皿の周囲に痛みが出ることがあります。
特に変形性関節症がある方では、関節の中で炎症が起こりやすくなります。炎症とは、膝の中が軽く熱を持ったり、腫れたり、痛みが出たりする反応です。ラウンド後に膝が重だるい、腫れぼったい、水がたまる感じがある場合は、この炎症が関係していることがあります。
年齢だけではない原因
膝の痛みは年齢だけで決まるわけではありません。同じ70代でも、ゴルフ後にほとんど痛まない方もいれば、50代でも強い膝の痛みに悩む方もいます。
違いとして大きいのは、太ももやお尻の筋力、体重、歩き方、靴、準備運動、ラウンドの頻度などです。特に太ももの前側の筋肉は、膝を支える大切な筋肉です。この筋力が落ちると、歩くと痛い、階段で痛い、下り坂で不安定になるといった症状が出やすくなります。
また、スイングのときに膝が内側へ入る癖がある方、右打ちで左膝に強く体重が乗る方、傾斜地で無理に踏ん張る方も、膝への負担が増えやすくなります。ゴルフのラウンド後に膝がズキズキする場合、関節だけでなく、筋肉やフォーム、生活習慣も含めて考える必要があります。
注意したい症状と受診の目安
数日で軽くなる痛みであれば、まずは休養や自宅での対策で様子を見ることもあります。ただし、痛みが2週間以上続く、膝が腫れている、熱感がある、膝に水がたまった感じがある、歩くと痛い、階段で強く痛む場合は整形外科で相談しましょう。
また、急に強い痛みが出た、膝が引っかかる、膝が抜ける感じがする、体重をかけるのが難しい、夜間も痛む場合は早めの受診が必要です。半月板損傷、変形性関節症の進行、炎症の悪化などが隠れていることがあります。

自宅でできる対策と予防法
痛みがあるときの動き方
ラウンド後に膝がズキズキする日は、無理に歩き続けたり、痛みを我慢して階段を何度も使ったりするのは避けましょう。痛みが強いときは、まず膝を休ませることが大切です。
ただし、まったく動かさない状態が長く続くと、筋力が落ちて膝がさらに不安定になることがあります。痛みが落ち着いてきたら、平らな場所での短い散歩や、軽いストレッチから再開しましょう。
腫れや熱感がある場合は、入浴で長く温めすぎると痛みが増すことがあります。そのようなときは、無理に温めるより、安静を優先し、必要に応じて冷やす方が楽になることもあります。
無理なくできるストレッチ・筋トレ
ゴルフ後の膝の痛みを予防するには、太もも、お尻、ふくらはぎの柔軟性と筋力が大切です。難しい運動よりも、続けられる内容を選ぶことが重要です。
まずは椅子に座ったまま膝をゆっくり伸ばす運動がおすすめです。太ももの前に力が入るのを感じながら、数秒止めて下ろします。痛みが出ない範囲で、左右10回程度から始めるとよいでしょう。
太ももの裏やふくらはぎのストレッチも役立ちます。反動をつけず、気持ちよく伸びる程度で20秒ほど保ちます。強く伸ばしすぎると逆に痛めることがあるため、「少し物足りない」くらいから始めるのが安全です。
スクワットを行う場合は、深くしゃがみ込む必要はありません。椅子に腰かけるように浅く曲げる程度で十分です。膝がつま先より大きく前に出すぎないようにし、痛みが出る場合は中止してください。
体重、靴、歩き方など生活習慣の見直し
体重が増えると、歩行時や階段で膝にかかる負担も増えます。急激な減量は必要ありませんが、少し体重を見直すだけでも膝の痛みが軽くなる方はいます。
ゴルフシューズも大切です。すり減った靴や足に合わない靴は、膝のねじれや不安定感につながります。ラウンド中に膝が痛くなる方は、靴底の減り方、クッション性、サイズを確認してみましょう。
また、カートを上手に使う、下り坂では歩幅を小さくする、傾斜地では無理な姿勢で打たない、ラウンド前後に軽く体を動かすといった工夫も予防になります。ゴルフを続けるためには、頑張りすぎない工夫も大切です。

整形外科で行われる治療法
保存療法とは何か
整形外科では、まず膝の状態を確認し、痛みの原因を調べます。診察では、どこが痛むか、腫れがあるか、膝の動き、歩き方などを確認します。必要に応じてレントゲンやMRIを行うこともあります。
手術以外の治療を保存療法といいます。保存療法には、運動療法、リハビリ、薬、湿布、装具、生活指導などがあります。変形性関節症があっても、すぐに手術というわけではありません。膝の状態や生活への影響に合わせて、できる対策から始めます。
薬、湿布、装具、リハビリの役割
痛みが強い時期には、飲み薬や湿布で炎症を抑えることがあります。これは痛みを一時的に軽くし、動きやすくするための方法です。ただし、薬だけで膝への負担そのものがなくなるわけではありません。
膝を支えるサポーターや足底板が役立つこともあります。足底板とは、靴の中に入れて足の傾きや荷重を調整するものです。歩き方や膝の向きによっては、関節への負担を減らす助けになります。
リハビリでは、膝だけでなく、股関節や体幹、足首の動きも確認します。ゴルフのラウンド後に膝がズキズキする方では、膝以外の硬さや筋力低下が関係していることも少なくありません。
ヒアルロン酸注射の限界と注意点
関節注射の一つにヒアルロン酸注射があります。膝の動きをなめらかにし、一時的に痛みが楽になることはあります。
一方で、ヒアルロン酸注射は軟骨や関節そのものを元通りにする治療ではありません。何度も続ければ根本的に改善する、というものではない点には注意が必要です。
注射だけに頼るのではなく、筋力、体重、歩き方、ゴルフ後のケアを含めて見直すことが大切です。症状が長引く場合は、現在の膝の状態に合った治療方針を整形外科で相談しましょう。
よくある質問
Q1. 痛みがあるときは動かさない方がいいですか?
A. 痛みが強い時期は無理を避ける必要があります。ただし、まったく動かさない状態が続くと筋力が落ち、かえって痛みが長引くことがあります。状態に合わせた軽い運動やストレッチが大切です。
Q2. 年齢のせいなら治療しても意味がありませんか?
A. 年齢による変化はありますが、痛みの原因は筋力低下、体重、歩き方、炎症、関節への負担などさまざまです。原因に合わせて対策すれば、痛みの軽減や歩きやすさの改善を目指せる場合があります。
Q3. どのタイミングで整形外科を受診すればよいですか?
A. 痛みが2週間以上続く、階段や歩行に支障がある、腫れや熱感がある、急に強い痛みが出た、夜間も痛む場合は、早めに整形外科で相談しましょう。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ
ゴルフのラウンド後に膝がズキズキする理由には、長時間の歩行、傾斜での踏ん張り、スイング時のひねり、筋力低下、変形性関節症などが関係していることがあります。
大切なのは、「年齢のせい」と決めつけて我慢しすぎないことです。痛みが軽いうちから、ストレッチ、筋トレ、靴の見直し、歩き方の工夫、ラウンド後の休養を取り入れることで、膝への負担を減らせる場合があります。
一方で、痛みが長引く、腫れる、階段で痛い、歩くと痛い、膝が不安定に感じる場合は、早めに整形外科で原因を確認しましょう。原因が分かると、無理に我慢するのではなく、自分の膝に合った対策を選びやすくなります。
ゴルフを長く楽しむためには、膝の痛みを放置しないことが大切です。今の状態を知り、できることから整えていきましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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