治療電話相談はこちら

0120-117-560

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(年末年始休診)

メニュー

COLUMN

股関節 足の付け根が痛いのはなぜ?股関節の寿命を延ばすセルフケアと原因を整形外科医が解説

足の付け根が痛いのはなぜ?股関節の寿命を延ばすセルフケアと原因を整形外科医が解説

最近、歩き始めに足の付け根がズキッとしたり、立ち上がる瞬間に重だるさを感じたりすることはありませんか。 「最近、階段がつらくなってきた」「靴下を履くときに足が上がりにくい」といったお悩みは、私のクリニックを訪れる50代から80代の患者さんから非常によく伺う言葉です。

多くの方は「もう年だから仕方がない」「運動不足のせいだろう」と自分に言い聞かせ、痛みを我慢しながら生活されています。しかし、足の付け根、つまり股関節の痛みは、放置しておくと歩行そのものが困難になり、生活の質を大きく下げてしまう原因になります。

気になる症状ですよね。でも、安心してください。 股関節の痛みの原因を正しく理解し、適切なケアを取り入れることで、股関節の寿命を延ばし、元気に歩き続けることは十分に可能です。今日は、整形外科医の視点から、その原因と自分でできる対策について、わかりやすくお話ししていきます。

足の付け根が痛む原因と、股関節で起きていること

そもそも、なぜ足の付け根が痛むのでしょうか。 股関節は、骨盤のくぼみに太ももの骨(大腿骨)の丸い頭がはまり込むような構造をしています。ちょうど、お椀の中にボールが入っているようなイメージを浮かべるとわかりやすいかもしれません。

この「ボール」と「お椀」の表面は、弾力のある軟骨(なんこつ)で覆われており、これがクッションの役割を果たすことで、私たちはスムーズに足を動かすことができます。

しかし、長年の使用や加齢によって、この軟骨が少しずつすり減っていくことがあります。これが「変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)」と呼ばれる状態で、日本人の股関節の痛みの多くを占めています。

軟骨が薄くなると、クッションが効かなくなった骨同士がこすれ合い、炎症が起きます。 最初のうちは「なんとなく違和感がある」程度ですが、進行すると骨自体が変形し、神経を刺激することで、強い痛みや足が動かしにくいといった症状が出てくるのです。

特に、女性は男性に比べて骨盤が広く、生まれつき股関節の受け皿が浅い「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」の方も多いため、40代以降で痛みを感じ始めるケースが少なくありません。

病院での一般的な治療と、知っておきたい注意点

痛みを感じて整形外科を受診すると、多くの場合、まずは保存療法(手術をしない治療)が提案されます。

これには、痛み止めの内服薬や、湿布などの外用薬、そしてリハビリテーションが含まれます。 ここで一つ、皆さんに知っておいていただきたいことがあります。

整形外科では「ヒアルロン酸注射」が行われることがよくあります。 膝の痛みでは一般的ですが、股関節にも使われることがあります。 ただ、正直に申し上げて、ヒアルロン酸注射は「減ってしまったクッションを元に戻す魔法の薬」ではありません。 あくまで関節の滑りを一時的に良くする潤滑油のようなものです。 痛みを和らげる効果は期待できますが、根本的に軟骨を再生させたり、骨の変形を止めたりする力は弱いのが現実です。 何度も注射を繰り返しているのに痛みが引かないという場合は、その場しのぎの対策にとどまっている可能性があることを意識しておくといいでしょう。

大切なのは、注射だけに頼るのではなく、自分の体を支える筋肉を鍛え、関節への負担を減らす「自分で行うケア」を並行することです。

股関節の寿命を延ばすために。今日からできるセルフケア

股関節の寿命を延ばすために最も重要なのは、関節を支える筋肉を維持しつつ、関節に過度な負担をかけない生活習慣を身につけることです。

まず、おすすめしたいのが「お尻の筋肉」を鍛えることです。 股関節を支える最大の味方は、中殿筋(ちゅうでんきん)というお尻の横にある筋肉です。ここがしっかりしていると、歩くときの骨盤の揺れが抑えられ、股関節への衝撃を分散してくれます。

お尻の横(中殿筋)を鍛える簡単エクササイズ

  1. 壁や椅子の背もたれに手を添えて、まっすぐ立ちます。
  2. 痛みのない方の足で立ち、痛む方の足をゆっくりと真横に広げます。
  3. つま先は正面を向けたまま、30度くらい上げるだけで十分です。
  4. 5秒ほど止めてから、ゆっくり戻します。 これを左右10回ずつ、1日に2〜3セット行うだけでも、股関節の安定感は変わってきます。

次に、日常生活の工夫です。 和式の生活スタイル、つまり畳に座ったり布団から起き上がったりする動作は、股関節に非常に大きな負担をかけます。 できれば椅子やベッドを使った「洋式」の生活にシフトすることをお勧めします。 特に、立ち上がるときに低い椅子を使っている方は、少し高めの椅子に変えるだけで、立ち上がる際の足の付け根への負担が大幅に軽減されますよ。

また、体重管理も無視できません。 股関節には、歩くだけで体重の約3倍、階段では5倍以上の負荷がかかると言われています。 急激に減量する必要はありませんが、少し体重を意識するだけで、関節が受けるストレスは劇的に変わるのです。

未来の選択肢としての治療法

これまでの保存療法で改善が見られない場合、かつては「我慢して、どうしてもダメなら人工股関節の手術」という二択が一般的でした。

しかし現在では、その中間となるような新しい選択肢も増えています。 例えば、自分の血液や細胞を利用して関節の炎症を抑える、再生医療といった分野です。 これは、体への負担を抑えつつ、本来持っている修復力をサポートする方法として注目されています。 もちろん、すべての方に適応するわけではありませんが、手術を回避したい、あるいは少しでも自分の関節で過ごしたいという方にとって、一つの希望の光となっていることは間違いありません。

股関節の痛みに関するよくある質問

痛みがあるときは、安静にして動かさないほうがいいですか?

かつては「痛いときは安静に」と言われていましたが、現在は「無理のない範囲で動かす」ことが推奨されています。 全く動かさないでいると、股関節周りの筋肉が痩せてしまい、かえって関節を支えられなくなって痛みが悪化するという悪循環に陥るからです。 激痛があるときは別ですが、心地よいと感じる程度のストレッチや、水中ウォーキングのような負担の少ない運動は、関節の血流を良くし、痛みの物質を流してくれる効果があります。

痛みが取れない場合、必ず手術になりますか?

必ずしもそうではありません。 骨の変形がかなり進み、歩行が困難で日常生活に支障が出ている場合には、人工股関節手術が非常に有効な手段となります。今の人工関節は性能が良く、術後の満足度も高い治療です。 一方で、骨の形がそこまで悪くない場合や、筋力トレーニングや生活習慣の改善、あるいは先ほど触れた再生医療などの新しい選択肢によって、手術をせずに長く過ごせる方もたくさんいらっしゃいます。 大切なのは、精密検査を受けて「自分の股関節が今どの段階にあるのか」を正確に知ることです。

マッサージで足の付け根の痛みは治りますか?

マッサージを受けると、股関節周りのこわばった筋肉がほぐれるため、一時的に痛みが軽くなることはあります。 しかし、痛みの根本的な原因が「関節の中の軟骨の摩耗」や「骨の変形」にある場合、マッサージだけで完治させることは難しいでしょう。 筋肉をほぐすことはリハビリの一環として素晴らしいことですが、それと同時に、関節を支えるためのトレーニングを自ら行い、構造的な問題に対して専門医のアドバイスを受けることが解決への近道です。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

年齢のせいで諦めないで。あなたの歩みは変えられます

「もう年だから、この痛みと付き合っていくしかない」 そうおっしゃる患者さんの表情は、どこか寂しげです。 しかし、私はこれまで、適切なケアと前向きな取り組みによって、再び旅行に行けるようになったり、お孫さんと散歩を楽しめるようになったりした方をたくさん見てきました。

人間の体には、いくつになっても適応し、回復しようとする力が備わっています。 股関節の寿命は、あなたの意識一つで延ばすことができるのです。

足の付け根に痛みを感じたら、それは体が発している「少しケアが必要だよ」というサインです。 そのサインを見逃さず、今日お話ししたストレッチや生活の工夫を、まずは一つからでも始めてみてください。 そして、不安なときは一人で悩まず、ぜひ私たちのような専門医を頼ってください。

あなたのこれからの人生が、痛みを忘れて軽やかに歩めるものでありますように。私たちは、その一歩を全力でサポートさせていただきます。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

CONTACT

ひざ関節の痛みに完全特化!

治療電話相談はこちら

【電話受付時間】月〜金/9:00〜16:30(土日祝休診)

各種ご相談やご予約はこちら

  • ひざの痛みに関する相談
  • セカンドオピニオンの相談
  • 再生医療に関する相談
  • MRI検査のご予約