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膝 膝痛で眠れない・夜に痛むのはなぜ?受診の目安と自宅でできる対策を整形外科専門医が解説

「昼間は何とか動けるのに、布団に入ると膝がズキズキして眠れない」「夜中に膝の痛みで目が覚める」「寝返りを打つたびに膝が痛む」。このようなご相談は、整形外科の診療でも少なくありません。
膝痛で眠れない状態が続くと、体力だけでなく気持ちまで疲れてしまいます。眠れないほど夜に痛むと、「膝がかなり悪くなっているのでは」と不安になる方もいるでしょう。
夜の膝の痛みには、変形性膝関節症の進行、関節の炎症、使いすぎによる負担、半月板や周囲の腱のトラブルなど、いくつかの原因が考えられます。必ずしも重い病気とは限りませんが、痛みの出方によっては早めの受診が大切です。この記事では、夜に膝が痛む主な原因、受診の目安、自宅でできる対策をわかりやすく解説します。
膝痛で眠れない・夜に痛む主な原因
変形性膝関節症が進み、安静時にも痛む
中高年の膝の痛みで多いのが、変形性膝関節症です。膝関節の軟骨がすり減ったり、関節の形が少しずつ変化したりすることで、歩くと痛い、階段で痛い、立ち上がると痛いといった症状が出ます。
初期は動いたときだけ痛むことが多い一方、炎症が強くなったり関節への負担が積み重なったりすると、横になっているときや夜間にも痛むことがあります。日中に長く歩いた日、家事で何度も立ったり座ったりした日、階段を多く使った日の夜に痛みが強くなる方もいます。
関節に炎症が起きて腫れや熱感がある
膝に水がたまる、腫れる、触ると熱っぽいといった場合は、関節の中や周囲に炎症が起きている可能性があります。炎症があると、安静にしていても脈打つように痛んだり、膝が重だるく感じたりします。
軽い炎症であれば、負担を減らすことで落ち着くこともあります。しかし、急に腫れが強くなった、赤く熱を持っている、発熱がある場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関へ相談してください。
膝だけでなく、股関節や腰から痛みが響いている
「膝の外側が痛いと思っていたら、実は股関節が原因だった」「腰の神経の影響で、太ももから膝にかけて痛んでいた」ということもあります。特に、膝のレントゲンで大きな異常が見つからないのに夜の痛みが続く場合は、膝以外の部位も含めて確認することが大切です。
股関節の変形性関節症では、進行すると安静時や夜間に痛みが出ることがあります。膝だけに意識が向きやすい症状ですが、診察では歩き方、股関節や腰の動き、しびれの有無も確認します。

夜に膝が痛むときの受診の目安
早めに整形外科を受診したい症状
膝痛で眠れない日が何日も続く、痛み止めを使っても眠れない、以前より痛みが明らかに強くなっている場合は、整形外科で原因を確認しましょう。
また、歩くと痛いだけでなく、階段の上り下りがつらい、正座できない、膝が伸びきらない、急に膝が抜ける感じがあるときも受診の目安です。レントゲンだけで判断できることもありますが、半月板や靱帯、骨の状態を詳しく確認するためにMRI検査が必要になる場合もあります。
急いで受診した方がよいサイン
次のような症状があるときは、できるだけ早く医療機関へ相談してください。
膝が急に大きく腫れた、赤く熱を持っている、発熱や強いだるさがある、転倒後から体重をかけられない、膝が完全に伸びない、安静にしていても痛みが急速に悪化している場合です。
夜間痛だけで重い病気と決まるわけではありません。ただし、理由がはっきりしない強い痛みが続く場合や、痛みで毎晩眠れない場合は、「年齢のせい」と片づけずに診察を受けましょう。
受診時に伝えると診断の助けになること
受診の際は、「いつから痛むか」だけでなく、「どの場所が痛いか」「昼と夜で痛みが違うか」「腫れや熱感があるか」「歩くと痛いのか、じっとしていても痛いのか」を伝えると診断の助けになります。
夜に痛む場合は、痛みで起きる時間帯、寝る姿勢、膝の下に枕を入れると楽になるかなども大切な情報です。痛みの程度を10点満点で記録しておくと、治療後の変化も確認しやすくなります。
膝痛で眠れないときに自宅でできる対策
膝を冷やすか温めるかを症状で使い分ける
膝が腫れて熱っぽい、動いたあとにズキズキする場合は、保冷剤をタオルで包み、15分程度を目安に冷やしてみましょう。直接肌に当てたり、長時間冷やし続けたりすることは避けてください。
一方で、腫れや熱感はなく、冷えるとこわばって痛む場合は、入浴や温かいタオルで温めることで楽になることがあります。冷やしても温めても痛みが強くなる場合は、無理に続けず、受診して原因を確認することが安心です。
寝る姿勢を工夫して膝への負担を減らす
仰向けで寝ると膝がつらい方は、膝の下に薄めのクッションや折りたたんだバスタオルを入れてみてください。膝が少し曲がることで、関節周囲の緊張が和らぐことがあります。
横向きで寝る場合は、両膝の間に枕やクッションを挟むと、上側の脚の重みが膝にかかりにくくなります。ただし、膝を深く曲げた姿勢が続くとかえって痛む方もいるため、楽に眠れる高さを探すことが大切です。
痛みが落ち着いている時間に軽い運動を続ける
膝が痛いと「なるべく動かさない方がよい」と考えがちです。しかし、痛みを避けて動かない状態が続くと、太ももの筋力が落ち、膝を支えにくくなることがあります。
強い痛みや腫れがある時期は無理をせず、落ち着いている時間に、椅子に座って膝をゆっくり伸ばす運動や、太ももに力を入れる筋トレから始めましょう。痛みを我慢してスクワットや長距離歩行を行う必要はありません。自分に合った運動量は、整形外科やリハビリで相談すると安心です。

整形外科で行う検査と保存療法
痛みの原因に合わせて検査を行う
整形外科では、まず痛む場所、腫れ、熱感、膝の曲がり伸び、歩き方などを確認します。そのうえで、レントゲン検査で骨の変形や関節のすき間を確認し、必要に応じてMRI検査や血液検査を組み合わせます。
夜に痛む膝の痛みでは、変形性膝関節症だけでなく、半月板の傷み、骨の小さな骨折、炎症性の病気などを見分けることも重要です。原因がわかると、避けるべき動作や適した治療を考えやすくなります。
手術以外の治療にはどのような選択肢があるか
多くの場合は、まず保存療法と呼ばれる手術以外の治療から検討します。生活習慣の見直し、体重管理、鎮痛薬や湿布、装具、リハビリ、関節注射などを症状に合わせて組み合わせます。
ヒアルロン酸注射は、一時的に痛みが楽になることはありますが、軟骨や関節そのものを元通りにする治療ではありません。何度も注射を続ける前に、膝への負担が増えている原因、筋力、歩き方、生活動作を見直すことが大切です。
手術が必要かどうかは、レントゲンの変形だけでは決まりません。痛みの程度、歩行や睡眠への影響、保存療法を続けても生活に支障が大きいかどうかを総合的に判断します。手術を避けたい方も、早めに相談することで選べる対策が広がることがあります。
よくある質問
Q1. 膝が夜に痛むのは、変形性膝関節症が進んでいるサインですか?
A. 可能性の一つですが、それだけで決まるわけではありません。日中の使いすぎによる炎症、半月板や周囲の腱の負担、股関節や腰からの痛みなどでも夜に痛むことがあります。眠れないほどの痛みが続く場合は、整形外科で原因を確認しましょう。
Q2. 膝痛で眠れないときは、痛み止めを飲んで寝てもよいですか?
A. 医師や薬剤師から処方・説明を受けている薬であれば、用法用量を守って使用することは選択肢になります。ただし、痛み止めでしのぎ続けるだけでは原因が分からないことがあります。痛みが繰り返す場合は受診をおすすめします。
Q3. 夜に痛くても、昼間に歩けるなら様子を見てもよいですか?
A. 一晩だけの軽い痛みで、腫れや熱感がなく、翌日には落ち着くなら様子を見ることもあります。ただし、夜間痛を繰り返す、痛みで目が覚める、以前より歩けなくなった場合は、早めに相談してください。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

まとめ
夜に膝が痛む原因を早めに知ることが大切です
膝痛で眠れない、夜に膝が痛むという症状は、変形性膝関節症、炎症、使いすぎ、半月板などの問題が背景にあることがあります。痛みが続くと睡眠不足になり、日中の活動量や気力も落ちやすくなります。
まずは膝を休ませ、腫れや熱感があれば冷やす、寝る姿勢を工夫するなどの対策を試してみましょう。痛みが落ち着いているときには、無理のない範囲でストレッチや筋トレを続けることも、膝を支える力の維持につながります。
年齢のせいと諦めず、受診の目安を見逃さないでください
膝の痛みは年齢とともに起こりやすくなりますが、「年齢のせいだから仕方ない」と我慢する必要はありません。夜に眠れないほど痛む、腫れや熱感がある、痛みが急に悪化した、歩くことがつらくなった場合は、整形外科で相談してください。
原因を早めに確認し、生活習慣や運動の方法を自分に合った形に整えることで、手術を急がずに日常生活を保てる場合もあります。つらい夜の膝の痛みを一人で抱え込まず、まずは専門家に相談することから始めましょう。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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