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膝 膝の痛みが夜だけ出る?考えられる原因と治し方

夜になると膝がズキズキ痛んで眠れない、日中はそこまで気にならないのに寝ようとすると痛みが出る…。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。実際に当院でも「昼間は普通に歩けるのに、夜だけ痛みが強い」というご相談は少なくありません。この記事では、夜にだけ膝の痛みが出る理由と、その対処法についてわかりやすく解説します。
この記事の内容
夜に膝の痛みが出るときに困ること
「布団に入ったのに痛みで目が覚める」「寝返りをうつと膝がうずく」など、夜間痛は生活の質に大きな影響を与えます。睡眠不足が続くと疲れが取れず、翌日の活動にも支障が出てしまいます。また、「もしかして重い病気では?」と不安になり、さらに眠れなくなるという悪循環に陥る方もいます。
膝の痛みが夜に出やすい原因
夜だけ痛みを感じるのにはいくつかの理由があります。
1. 炎症や血流の変化
変形性膝関節症や関節内の炎症があると、横になって安静にしているときに炎症反応が強まりやすく、夜間に痛みが出ることがあります。また、夜は体の血流が変化するため、関節周囲が腫れて痛みを感じやすくなります。
2. 筋肉や靱帯のこわばり
日中の活動で疲れた筋肉や靱帯が夜に硬くなることで、膝への負担が増え、寝ている間に違和感や痛みが出ることがあります。特に冷えが加わると、関節がこわばって痛みやすくなります。
3. 神経の影響
腰や太ももから走る神経のトラブル(腰椎疾患など)が原因で、夜に膝のあたりに痛みが出ることもあります。「膝だけが悪い」と思っていても、実際には腰や神経が関係しているケースも少なくありません。
4. 姿勢や寝具
寝るときの姿勢や、マットレスや布団の硬さも膝に影響します。横向きで寝るときに膝同士が当たって痛んだり、硬い寝具で関節に負担がかかると痛みが強まることがあります。
膝の夜間痛への対処法・治し方
夜だけ膝が痛む場合でも、原因に応じた対策を取ることで改善が期待できます。
保存療法(手術をしない治療)
・消炎鎮痛薬(飲み薬や湿布):炎症が強いときに有効です
・関節注射(ヒアルロン酸など):関節内の炎症や摩擦を抑える効果があります
・装具(サポーターなど):夜間の姿勢を安定させ、痛みを軽減します
自宅でできる工夫
・寝る前にストレッチ:太ももやふくらはぎを軽く伸ばしておくと血流が良くなります
・膝の下にクッション:仰向けで寝るときは膝の下に枕を入れると楽になります
・膝の間に枕:横向き寝では膝の間にクッションを挟むと負担が減ります
・冷え対策:レッグウォーマーやカイロで膝を冷やさないようにしましょう
運動療法
膝周りの筋肉(特に太ももの前側・後側)を鍛えることは痛みの改善に役立ちます。椅子に座って片足を伸ばす「足上げ運動」や、仰向けでお尻を持ち上げる「ブリッジ運動」などは、膝に大きな負担をかけずに筋力を保つ方法です。
再生医療も選択肢の一つ
近年ではPRP(多血小板血漿)治療や脂肪由来幹細胞治療など、関節の自然な修復力を引き出す再生医療も行われています。保存療法で十分な改善が得られない場合に、手術を避けたい方の選択肢となりえます。
よくある質問Q&A
Q. 痛みがあるときは動かさない方がいいですか?
A. 強い痛みがあるときは無理をせず休むことが大切ですが、まったく動かさないと筋肉が弱り逆効果になることも。痛みが落ち着いているときは軽いストレッチや歩行を取り入れると良いでしょう。
Q. 膝の夜間痛は年齢のせいだから仕方ないですか?
A. 年齢とともに膝の変化はありますが、「仕方ない」と諦める必要はありません。保存療法や運動、生活の工夫で多くの方が改善を実感しています。
Q. 病院に行く目安は?
A. 夜間痛が続く、日常生活に支障がある、腫れや熱感を伴うといった場合は、早めに整形外科を受診してください。原因を正しく調べることが改善への近道です。
まとめ
夜だけ膝が痛むのは、炎症や筋肉のこわばり、神経や寝具の影響などさまざまな理由が関わっています。睡眠を妨げる痛みは生活の質を大きく下げますが、適切な工夫や治療で改善できる可能性があります。「年齢のせい」と諦めず、まずは自分に合った方法を取り入れてみましょう。困ったときは専門医に相談することで、安心して日常生活を送れるようになります。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。


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