コラム COLUMN
腰 腰部脊柱管狭窄症-手術後の痛みや痺れについて-
腰部脊柱管狭窄症とは?
腰部脊柱管狭窄症は、背骨の腰部分にある脊柱管が狭くなることで神経が圧迫される病気です。脊柱管は神経の通り道であり、これが狭くなると神経が圧迫され、痛みや痺れが生じます。この病気は特に高齢者に多く見られます。
症状
腰部脊柱管狭窄症の主な症状は、以下の通りです。
- 腰痛
- 下肢の痺れ:お尻から足にかけての痺れ
- 歩行障害:歩くとふくらはぎが痛むため、歩行が困難になる
- 膀胱障害:尿の出が悪くなるなどの排尿障害
これらの症状は、歩行や立ち上がりの際に悪化し、休息すると一時的に和らぎます。
治療方法
腰部脊柱管狭窄症の治療は大きく分けて保存療法と手術療法があります。
●保存療法
保存療法には、薬物療法やリハビリテーション、ブロック注射などがあります。軽度の症状の場合、これらの方法で症状の緩和が期待できます。
●手術療法
症状が重く、保存療法で効果が見られない場合、手術が検討されます。手術は、脊柱管を広げることで神経への圧迫を取り除くことを目的としています。
手術後の痛みや痺れ
手術後に痛みや痺れが残ることがあるのはなぜでしょうか?手術が成功しても、以下のような理由で症状が残ることがあります。
圧迫された神経の回復
長期間にわたり神経が圧迫されていると、神経そのものが損傷を受け、手術後に完全に回復しないことがあります。これにより、痛みや痺れが残ることがあります。
再発
手術後に脊柱管が再び狭くなり、症状が再発することがあります。特に加齢による変化や新たな外傷が原因となることが多いです。
手術による損傷
手術中に神経を傷つけるリスクがあり、これが原因で痛みや痺れが残ることがあります。
再生医療の可能性
最近では、再生医療が注目されています。再生医療は、損傷した神経を修復することを目指しており、手術後に痛みや痺れが残った場合の新たな治療法として期待されています。
再生医療の利点
- 損傷した神経の修復:再生医療は、手術後に残った痛みや痺れの改善を目指します。
- 低侵襲:体への負担が少なく、安全性が高いとされています。
手術後の生活
手術後の生活について、保険治療と自費治療の違いも含めて説明します。
保険治療
通常1~3週間の入院が必要です。術後数日からリハビリを開始し、退院後もリハビリのための通院が必要となります。全身麻酔で行われるため、体への負担が大きく、後遺症が残る可能性があります。
自費治療(再生医療)
点滴による治療のため、入院の必要がありません。体への負担が少なく、後遺症が出にくいとされています。リハビリも自宅で行うことができ、回復が早いのが特徴です。
手術の進歩
最近の手術方法の進歩により、手術成績は大きく向上しています。従来の広範椎弓切除術(破壊的な手術)から、片側侵入両側除圧術(小侵襲手術)へと進化しています。これにより、腰椎の支持性を維持しつつ、狭窄した脊柱管を拡げることが可能となりました。
小侵襲手術の利点
- 体への負担が少ない:手術時間が短く、出血量も少ないため、高齢者にも適しています。
- 回復が早い:手術後の回復が早く、日常生活への復帰がスムーズです。
まとめ
腰部脊柱管狭窄症の手術後に痛みや痺れが残る可能性について解説しました。この病気は高齢者に多く見られ、手術が必要となることがありますが、手術後に痛みや痺れが残ることがあります。再生医療の進歩により、今後はこれらの症状を改善する新たな治療法が期待されています。
手術を検討する際には、保険治療と自費治療の違いを理解し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。手術方法の進歩により、安全で効果的な治療が受けられるようになってきていますので、不安な点があれば医師に相談し、納得のいく治療を選んでください。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
各種ご相談やご予約はこちら
- ひざの痛みに関する相談
- セカンドオピニオンの相談
- 再生医療に関する相談
- MRI検査のご予約