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その他 つま先立ちができない?下肢筋力低下と疾患の関係を専門医が解説

つま先立ちができない?下肢筋力低下と疾患の関係を専門医が解説

「最近、つま先立ちができなくなった」「ふくらはぎに力が入らない」――そんな症状に心当たりはありませんか?
加齢や運動不足で起こることもありますが、神経や筋肉、関節の病気が隠れている場合もあります。
今回は、整形外科専門医の立場から「つま先立ちができない」原因とその対策についてわかりやすく解説します。

つま先立ちができないときに起こる困りごと

日常生活でつま先立ちを意識することはあまり多くありません。
しかし、階段を上るときや坂道を歩くとき、あるいは立ち上がるときには、実はふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が重要な働きをしています。

この筋肉が弱くなると、

  • 立ち上がる動作が遅くなる
  • 歩くときに足が地面に引っかかる
  • バランスを崩しやすくなる
    といったトラブルが生じやすくなります。

また、片足でつま先立ちができない場合は、左右差のある筋力低下や神経障害が疑われることもあります。

つま先立ちができない主な原因

1. 加齢や運動不足による筋力低下

50代以降になると、自然と筋肉量が減少し、特にふくらはぎや太ももの筋肉が弱くなります。
長時間の座り仕事や運動不足も拍車をかけ、つま先立ちが難しくなるケースがよく見られます。

2. 神経の障害(腰椎疾患など)

腰の神経が圧迫されると、足に力が入らなくなることがあります。
代表的なのが「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」です。
これらでは、足のしびれや痛みを伴うことが多く、ふくらはぎの筋肉を動かす神経(S1神経根)が障害されると、つま先立ちができなくなることがあります。

3. アキレス腱やふくらはぎの損傷

アキレス腱断裂や腱炎があると、ふくらはぎの力を足先に伝えられず、つま先立ちが困難になります。
急に「プチッ」と音がして歩けなくなった場合は、早急な整形外科受診が必要です。

4. 神経や筋肉の疾患

末梢神経障害(糖尿病性ニューロパチーなど)や筋疾患(筋ジストロフィーなど)も、ふくらはぎの筋力低下を引き起こす原因となります。
この場合、両足に症状が出ることも多く、全身的な原因が隠れていることもあります。

対処法と治療法

1. 原因を見極めることが第一歩

「つま先立ちができない」という症状だけでは、原因を特定するのは難しいものです。
整形外科では、筋力テスト・神経診察・レントゲン・MRIなどを組み合わせて、原因部位を特定します。
神経性なのか、筋肉・腱性なのかを見極めることが重要です。

2. 保存療法(手術をしない治療)

多くのケースでは、運動療法やリハビリで改善が期待できます。
特に効果的なのは次のようなトレーニングです。

  • カーフレイズ(ふくらはぎ上げ)
    壁や椅子に手をついて、かかとをゆっくり持ち上げる動作を繰り返します。
    回数よりも「ゆっくりとした動き」がポイントです。
  • バランス訓練
    片足立ちや、足の指で床をつかむような運動を行うと、足底筋群も鍛えられます。

また、足底板(インソール)や弾性ストッキングを併用すると、立位姿勢が安定しやすくなります。

3. 原因疾患への治療

神経圧迫が原因の場合は、神経ブロック注射理学療法で症状を軽減します。
腱や筋の損傷がある場合は、修復を目的とした治療(再生医療を含む)を検討することもあります。
最近では、PRP療法幹細胞治療などにより、ダメージを受けた組織の回復をサポートする方法も注目されています。

再生医療という新しい選択肢

近年では、従来の治療に加えて「再生医療」という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療PRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体が本来持つ自然治癒力を引き出し、関節や組織の修復を促す治療法として注目されています。

例えば、脂肪から採取した幹細胞を点滴で投与することで、膝や股関節だけでなく、腰痛などの慢性疼痛に対しても炎症を抑えたり、組織の修復を促したりする効果が期待されています。

ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無を医師がしっかり診断したうえで治療を検討することが大切です

よくある質問

Q. 痛みがあるときは、運動しないほうがいいですか?
A. 強い痛みや腫れがある場合は安静が必要ですが、完全に動かさないのは逆効果です。医師の指導のもと、痛みのない範囲で軽いストレッチや筋トレを行うことが大切です。

Q. 年齢のせいだから仕方ない?
A. 加齢は要因の一つですが、正しいトレーニングで筋力は十分に回復します。あきらめずにリハビリを継続することが大切です。

Q. どの診療科に行けばよいですか?
A. 整形外科が最適です。神経や筋肉、関節を含めて総合的に診察できます。必要に応じて神経内科との連携も行われます。

まとめ:つま先立ちができなくても、改善は可能です

つま先立ちができない症状は、単なる筋力低下だけでなく、神経や腱の異常が隠れていることもあります。
しかし、早めに原因を見つけて適切な治療を行えば、多くの場合は改善が期待できます。

「年齢のせい」と諦めず、今からできる運動や治療を始めましょう。
当院では、リハビリや注射治療に加え、再生医療も含めた幅広い選択肢から、患者さま一人ひとりに合った治療法をご提案しています。

札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。

院長 川上公誠

プロフィール


監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長

岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。

この記事を書いたのは

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