
コラム COLUMN
膝 ひざが熱を持つ・腫れるときに考えられる病気とは?

日常生活の中で「なんだか膝が熱い」「膝が腫れてきた」と感じたことはありませんか?これらの症状は、体が何らかの異常を訴えているサインかもしれません。今回は、膝が熱を持ったり腫れたりする原因と、考えられる病気、そして対処法について整形外科専門医の立場から解説します。
まずは知っておきたい「炎症」という反応
膝が熱を持つ、腫れるといった症状の多くは、「炎症」が原因です。炎症とは、身体が損傷や異常に対して行う防御反応で、「赤くなる」「腫れる」「熱くなる」「痛い」「動かしにくい」といった症状を伴います。
つまり、「ひざが熱い」「ひざが腫れている」というのは、ひざに何かしらの炎症が起きているサインと考えられるのです。
ひざの熱・腫れを伴う代表的な病気
それでは、具体的にどんな病気が考えられるのでしょうか?以下によくある疾患をご紹介します。
1. 変形性膝関節症
中高年に多く見られるひざのトラブルで、関節の軟骨がすり減ることで炎症が起き、痛み・腫れ・熱感が現れます。長時間歩いた後や階段の上り下りで症状が強くなることがあります。
2. 関節リウマチ
自己免疫の異常で関節に慢性的な炎症が起こる病気です。朝起きたときに手や膝のこわばりが強く、両側の膝に熱を持つことが特徴です。40代〜60代の女性に多い傾向があります。
3. 痛風
尿酸が結晶化して関節に炎症を起こす疾患です。膝にも起こることがあり、急激な痛みと腫れ、熱感が出現します。特に中高年の男性で、ビールや肉の多い食生活が続いている方に多くみられます。
4. 化膿性関節炎(細菌性関節炎)
関節に細菌が入り込み、膿がたまって炎症が強く起こる状態です。膝がパンパンに腫れて熱を持ち、動かせないほど痛む場合は、すぐに病院を受診する必要があります。発熱や倦怠感を伴うこともあります。
5. 半月板損傷・靭帯損傷
スポーツや転倒などによって膝の半月板や靭帯を損傷した場合にも、関節内で出血や炎症が起きて腫れや熱を伴います。急なひねりやジャンプの着地などが原因になることが多いです。
ひざが熱い・腫れるときのチェックポイント
ご自身で次のポイントを確認してみましょう。
- 片側だけか、両側か
- 腫れや熱感は急に出たのか、徐々にか
- 発熱や全身のだるさはあるか
- 思い当たる原因(転倒・運動など)はあるか
- 動かすと痛みが強くなるか
これらの情報を医療機関で伝えることで、診断がスムーズになります。
自宅でできる応急処置
膝が熱を持って腫れているときは、まずは「RICE処置」を行いましょう。
- Rest(安静):無理に動かさず、膝を休めましょう。
- Ice(冷却):氷や保冷剤で15〜20分冷やすことで炎症を抑えます。
- Compression(圧迫):包帯やサポーターで軽く圧迫すると腫れを抑えられます。
- Elevation(挙上):膝を心臓より高く上げると腫れの軽減に効果的です。
ただし、熱感が強い場合や全身症状がある場合には、自己判断せずすぐに整形外科や医療機関を受診しましょう。
まとめ:早期対応がカギ
ひざの腫れや熱感は、単なる疲労や加齢のせいだけでなく、重大な病気が隠れていることもあります。大切なのは、「様子を見る」だけで終わらせず、症状が続く・悪化する場合には早めに専門医を受診することです。
当院でも、ひざの痛みや腫れに対する正確な診断と、再生医療を含めた最適な治療法をご提案しています。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。


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