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FAQ膝 山登りで膝が痛い高齢者の方へ!安全に登山を楽しむために気を付けることについて専門医がやさしく回答

シニア世代の方にとって、大自然を満喫できる山登りは素晴らしい趣味ですが、「下山時に膝が痛む」「年齢を重ねてから膝に違和感がある」といったお悩みを抱える方は非常に多くいらっしゃいます。当院でもよく寄せられる代表的な8つの疑問について、整形外科専門医がやさしく丁寧にお答えします。安全に登山を楽しむためのヒントとして、ぜひお役立てください。
この記事の内容
高齢になってから山登りで膝が痛くなる主な原因は何ですか?
多くの方が気になる点ですが、主な原因は年齢とともに膝の軟骨(クッション)がすり減ることや、太も本の筋力が低下することです。特に下り坂では、体重の数倍もの衝撃が膝に直接かかるため、関節の内部で摩擦が起きてズキズキとした炎症を引き起こしやすくなります。これを変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)と呼び、シニア世代の登山者にとても多い症状です。
山登りの下山時に膝を痛めないための正しい歩き方はありますか?
下り坂での歩き方は非常に重要です。早く降りたいからと大股でトントンと降りるのではなく、いつもより歩幅を小さくして、足の裏全体で静かに着地するイメージを持ちましょう。軽く膝を曲げて体全体のバネを使い、できるだけ足音が響かない丁寧な歩き方を意識してみてください。これだけで、膝にかかる着地衝撃を大幅に減らすことができます。
高齢者が山登りをする際、膝を守るために気を付けることは何ですか?
最も気を付けるべきことは、膝への負担を分散させる準備です。両手に持つタイプのトレッキングポール(登山用の杖)を必ず使用しましょう。これだけで下半身への衝撃を約2〜3割減らせます。また、荷物をできるだけ軽くすることや、関節を固定する登山用タイツ・サポーターの活用も有効です。無理のない登山計画を立て、こまめに休憩を挟むことも忘れないでください。
山登りで膝が痛くなったら、もう登山は諦めなければいけませんか?
決して諦める必要はありません。痛みが強い時期は一度お休みして治療に専念する必要がありますが、適切なセルフケアや治療で炎症が治まり、筋力がついてくれば、また山に戻ることができます。まずは高低差の少ないなだらかなコースを選んだり、ロープウェイを上手に利用して下りだけラクをしたりするなど、今の膝の状態に合わせた優しいスタイルで再開しましょう。

病院で行うヒアルロン酸の関節注射は、膝の痛みに効果がありますか?
ヒアルロン酸注射は関節の滑りを一時的に良くするためのもので、多くの方が受けている治療です。ただし、これはあくまで一時的な水分補給やクッションの役割に過ぎません。何度も繰り返し注射を打っているからといって、すり減った軟骨そのものが元通りに再生するわけではないため、注射だけに頼るのではなく、筋力トレーニングなどの根本的な対策を並行することが大切です。
山登りの後に膝がズキズキ痛むときは、温めるべきですか?冷やすべきですか?
山登りの直後で、膝が熱を持っていたり、腫れていたり、ズキズキと激しく痛むときは、すぐに氷水や保冷剤で15分〜20分ほど冷やしてください。これは関節の中で急な炎症が起きているサインです。一方で、数日が経過して激しい痛みが落ち着き、なんとなく重だるい、患部がこわばるという場合は、お風呂などで温めて血行を良くしてあげるのが効果的です。
登山に行けない日でも、自宅でできる膝の予防法はありますか?
自宅で手軽にできる太ももの筋力トレーニングがおすすめです。椅子に深く腰掛け、片方の足を床と水平になるように真っ直ぐ伸ばし、つま先を上に向けて5秒間キープします。これを左右10回ずつ朝晩に行うだけでも、膝を支える「天然のサポーター」である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が鍛えられます。お風呂上がりのストレッチで柔軟性を高めることも予防につながります。
膝のサポーターは、普段の生活からずっとつけておいた方が良いですか?
サポーターは状況に合わせて使い分けるのが正解です。山登りや長時間のウォーキングなど、膝に大きな負担がかかる場面での着用は大変効果的です。しかし、日常生活で24時間ずっとつけっぱなしにしていると、かえって自分の筋肉がサポーターに頼ってしまい、筋力が低下する原因になります。活動するときだけつける、というメリハリを意識しましょう。

再生医療という新しい選択肢
近年では、従来の治療に加えて再生医療という新しい選択肢も登場しています。特に、幹細胞治療やPRP(多血小板血漿)治療といった方法は、体の自然治癒力を引き出して関節の修復を促す治療法として注目されています。
例えば、脂肪から採取した幹細胞を関節に注入する治療では、変性した軟骨の修復や再生が期待できます。これにより、「もう正座はできないかも…」とあきらめていた方が、再び正座ができるようになったケースもあります。
ただし、再生医療はすべての症例に効果があるわけではないため、適応の有無をしっかり診断してもらうことが重要です。

膝の痛みは、「年齢のせい」と一人で抱え込んで諦めてしまう必要はありません。歩き方の工夫や日々の筋力維持、そして適切な医療的アプローチを組み合わせることで、再び心地よい山の空気を楽しみに行くことは十分に可能です。不安なことや気になる症状があれば、いつでもお気軽に専門医までご相談ください。
札幌ひざのセルクリニックでは、患者様の症状に合わせた適切な診断と治療計画のご提案をしております。ひざだけでなく、肩、股関節等の関節、また長引く腰痛などの慢性疼痛の治療も行っております。西18丁目駅徒歩2分、札幌医大目の前にありますので、お気軽に御相談下さい。
院長 川上公誠
(プロフィール)
監修 川上 公誠(整形外科専門医)
札幌ひざのセルクリニック院長
岐阜大学医学部卒業。母が人工関節手術で痛みから解放された経験をきっかけに整形外科医を志し、これまでに人工関節置換術を含む手術を5,000件以上手がけてきました。手術が難しい高齢者や合併症のある方にも寄り添える治療を模索する中で再生医療と出会い、その効果に確信を得て、2024年に「札幌ひざのセルクリニック」を開院。注射のみで改善が期待できるこの先進的な治療を、北海道中に届けたいという想いで、関節に特化した再生医療を提供しています。
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